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内容説明
探偵テイマー教授の名推理ふたたび―謎解きはギリシャで!テムズ河、そして紺碧のイオニア海で相続人達を次々に見舞う“事故”の真相とは? デビュー作『かくてアドニスは殺された』で好評を得た著者が満を持して贈る第2作。ギリシャ神話をとりこんだ巧緻な筋立てと軽妙洒脱な会話が冴える本格傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koo
5
シリーズ2作目も楽しく読みました。相変わらずらしくない弁護士メンバーたちのキャラがいいですね。途中でセリーナの実況手記が挟まりその後に謎解きがあるのは前作と同じ構成ですね。メンバー同士のやりとりが楽しい反面謎解きに入るまでは何処に推理の重きを置くかあまり考えずに読み進めてしまいましたが伏線は序盤から仕込まれてましたね。動機が分かりづらい点は不満ですが作品に漂うユーモアが心地よく楽しく読み終えました。ただ女性陣のお嬢様言葉がきつい(笑)80年代の作品で「〜ですわ」「〜のよ」は一々引っかかります。2022/06/10
ヨッシー
4
相変わらず安定した面白さ。英国風ユーモアとはかくあるべき、といったところ。始終クスクスしっぱなしでした。……が、これまでに読んだ2作(『女占い師』と『セイレーン』)と比べると、ミステリとしての出来は劣るかなぁと思います。動機がやや唐突でしょうか。またテイマー教授がわりあい活動的なのですが、やはりこのシリーズは教授は腰を落ち着けて手紙やらテレックスやらを読んで謎を解き、最後にちょこっと活動する、ぐらいが調度よいのではと(今作ももちろん手紙はありますけどね。あくまで比較の問題です)。初めての方は別の作品から。2011/10/27
八百蔵
3
オデュッセイアとか、クリケットとか、ヨットとか、これを推理小説として楽しく読みこなすのには知識と教養が必要。これらのない自分だと、結論が示されてから、手掛かりの意味をボンヤリ知るという形になってしまって、推理を楽しめた、というにはほど遠かった。2025/07/10
kanamori
1
☆☆☆★2013/03/19
Yasuko Netsu
1
松岡和子さんだったか、ヨーロッパの森と日本の森は違うと。だから、シェイクスピアの恋人たちのさまよった森は私たちのイメージする森と全く違う。本作の主人公セリーナが挑んだエーゲ海はさらに、イギリス人であるシェイクスピアの海とも違い、ホメロスの描いた海であるという。それを日本人がイメージしようとするのはずいぶんなヨーロッパ的な知識と体験を要するような気がした。そんなことも考えながら、テイマー教授のペダンティックな叙述に酔う。それにしても、20年前とはいえ、最後20pぐらいにならないと犯人を」思い出さないとは。2013/10/08