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内容説明
俊英の異色サスペンス―冴えるエンディング! 独身の美人教師をめぐる危険な三角関係。絶妙のテクニックと語り口で描く問題作! 俳優探偵チャールズ・パリスのシリーズで名をあげたサイモン・ブレットは、現在続々と紹介されている気鋭イギリス作家の中でも最右翼の一人と言える。その特徴はイギリスに多い学究タイプの作家と違い、エンターテインメントに徹しきった作風にある。本書はパリスものとは違うサスペンス小説だが、ブレッドが放つプロならではの大技をご賞味いただけるだろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
96
語学学校を舞台にした英国のミステリ。詩的な題名で英国の詩が効果的に使われているけれど、登場人物はみんな俗っぽい人たちでその対照が面白い。いかにも英国のミステリという感じ。10代の生徒が年上の女性教師に抱く憧れが狂気に近いものになり―――。プロットの捻り方が巧みで、フィギュアスケートで言えば、トリプルアクセルをぴしゃりと決めたラストに拍手。2014/02/24
ごへいもち
18
好みではなかった。フロイトが流行っていたんだろうなぁ2017/12/10
koo
6
再読。3人の登場人物の頭の中が三人称視点で気持ち悪く描写されているのがシニカルでいいです。内容は忘れていたのですが現代でも200ページ程度にまとまったシニカルなユーモアもある叙述トリックの佳作として通用すると思います。サイモンブレット最高傑作なのは間違いないでしょう、この作品や「殺意のシステム」系統の作品をもっと書いて欲しかったですね(笑)折原一や中町信、リチャードニーリィファンにオススメです。2022/07/25
barabara
4
何とも物悲しい余韻が残る話だった。頑なに『自分なりの』理想を追い求めるマデレーン。自分の枠から外れた労働者階級の妹を内心侮蔑し、結果は理想と自らの現実の隔たりが奇異だと気づかず、結局自分が侮蔑されている。トリックそのものは目新しい訳でもないが、巧みな叙述がわざとらしさを一掃させていて、見事。2013/02/24
人力飛行機
3
読み終わっても仕掛けが理解できず、10分くらい考えた後急遽閃いてラスト部分を再読。ネタが理解できた瞬間、思わず本を床にたたきつけてしまいました。叙述トリックのネタばらしっていうのは、普通もっとハデにやるもんですよ、ブレットさん(笑)