- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > ノベルス
- > ハヤカワポケットミステリー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
36
ストーリーの芯になる所が曖昧なまま行っちゃった印象。スラップスティックなコメディで幕開きし、敵対するマジシャン一家の若き男女による嫌いなはずなのに気になっちゃうロマンスでユーモラスに進むかと思いきや、生理的嫌悪を催す爬虫館のシチュエーションでそれが中断される。目張り密室の不可能性も強調されず、中盤はマッジが犯人に狙われるサスペンスで引き延ばした感じ。トリックを誤魔化すために時代背景を取り入れてしまう大掛かりさは好み。フーダニットの詰めが甘く、強引な自白の引き出し方は本格じゃないなぁ。2017/02/04
UPMR
4
トリックのネタバレを知った上で読んだが、やはり上手いトリックだなと改めて感心。目張り密室という強固な不可能状況を真正面から克服してみせていて、元祖にして最高峰なのは間違いない。解明の手掛かりも秀逸。一方で元々トリックで勝負を懸けた作品なのか、犯人当てはかなり単純。あからさまな条件から呆気なく導けてしまう。実際それくらいよくできたシンプルかつ効果的なトリックではあるものの、そのトリックだけが有名になってしまったのはこの作品にとって不幸なことだなと。ラストの犯人に対するH.M.の人を食った策略にニヤリとした。2019/04/30
walwal
2
導入部のH・M卿の爬虫館におけるドタバタが楽しい(笑)。目張りをした部屋の中でのガス殺という状況も不可能趣味あふれていていい。2011/12/12
Jimmy
0
久々の「なんだかなァ」本でした。カー大好きな密室は今回はまるで興味なしのトリックだし、舞台のおどろおどろしさも本ネタとはまったく関係なく、ガッカリ。ただ、動機に関してはなるほどでした。これがまた、あからさまな記述があったにもかかわらず気がつかず、相変わらずの私はボンクラ探偵です。唯一、この作品では誰が犯人?=動機は?だったので(犯行機会や実行可能性は大して問題ではない)なおさらです。2013/05/14