岩波文庫
イタリア紀行 〈上〉 (第62刷改版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 339p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003240595
  • NDC分類 945
  • Cコード C0198

出版社内容情報

詩聖ゲーテが『詩と真実』の続編として意図したこの旅行記において,彼はあくまで率直,自然に,真に自分の眼で見,胸で感じたことを淡々として物語り,口ずから旅の物語を聞く感じを読者に与える.作品として興趣尽きないばかりでなく,彼の生涯の一大転機をなす体験の記録としても意味深い.一八一六―二九年.

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

lily

97
ゲーテでさえ本でも絵でも与えてくれない感覚的印象が大事な時期があった。一瞬も時間を無駄にしたことがないと自負した。旅での非日常の殆どは移動時間であって、着いてしまえば観る、食べる、休息の頻度と濃度が増すくらいで、寧ろ変化には乏しいのだよ。それでこそ都会にいればもっと密度を高められるもの。2021/05/01

Gotoran

45
ゲーテ37歳の時イタリアを旅行する(1786-88年)。その後28年を経て当時の書簡や日記をもとにしてイタリアで触れた古代美術や自然、宗教、人々の生活等を鋭い観察を介して自身の心の成長を記した作品(上・中・下、全3巻)。本書(上巻)はスイスから北イタリアに入り、ヴェローナ、ヴェネツイアなどを経てローマに至るまで。ヴェネツイア、ローマでのルネサンス期の絵画や寺院、古代建築物や石像の記述、道すがら見える産地の鉱物の詳述など、ゲーテならではの記述が垣間見られ興味深かった。引き続き、中巻へ。2019/04/10

イプシロン

24
ルソーの『エミール』を読んで旅をする目的とは、自然や人間を知り己の見分を肥やし、我れとわが友の人生を豊穣とするためであることを知り、衝撃を受けた。そしてこの『イタリア紀行』でゲーテはルソーが言及した目的を果たしている姿を目の当たりにして感銘を受けた。またゲ-テにあってもトーマス・マンの『トニオ・クレーゲル』にあるような世俗生活における人と人の関わりと、個人の内面における芸術的精神の調和をいかにすべきかに腐心していたのだと知った。その腐心を癒す処方箋はきっと諧謔であり作品を創りだすことなのだろう。2018/02/07

みやび

23
思いのほか読むのに時間がかかってしまった。だからといって決して面白くない訳ではない。ゲーテが生きていた時代のイタリアの情景、気候、風土。建築物や文化芸術美術、果てはその土地の地質まで、実に詳細に描写されていて、まるでその時代のイタリアをゲーテと共に歩みながら解説してもらっているような気分になれた。まさに紀行文。堅苦しいイメージのゲーテが生き生きとしている。鉱石に興奮してポケットいっぱい詰め込むゲーテを想像するだけで楽しい。続編もあるが、一旦間をおいた後、ゲーテとイタリアの旅を再開させようと思う。2024/10/31

会津の斎藤

21
憧れだったイタリアの旅。紀行文は文学と違い その人となりが分かり親しみやすい。 しかもあのゲーテが身近に感じるなんて。 テレビも車も携帯も無い時代の旅の情景も 広がりました。続きが楽しみ。2021/07/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/455763
  • ご注意事項

最近チェックした商品