出版社内容情報
誰もが一度は耳にしたことがある「歴史的事件」と、誰もが疑問を抱く一つの「問い」を軸に、各国史の研究者が過去と現在をつないで未来を見通すシリーズ第14弾。清朝のありようとその変遷を象徴する「アヘン戦争」をキーワードに、未だ真の革命を成就できない「中国」の核心に迫る。
【目次】
[事件の全容]
第1章 なぜ、アヘンをめぐって戦ったのか?
[事件の歴史的・宗教的背景]
第2章 清朝は、明朝のアンチテーゼだったのか?
[同時代へのインパクト]
第3章 アヘン戦争は、清朝の秩序・体制を変えたのか?
[後世に与えた影響]
第4章 現代の中国は、清代からどのように変わったのか?
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
67
”西洋の衝撃”を受け、受動的ながら開国、近代化へ邁進した日本との違いについて考えさせられた。 アヘン戦争という言いがかりのような戦争を仕掛けられも華夷思想にドップリ漬かった清朝の秩序・体制は揺るがず、その体制が真に動揺、崩壊に向かうのは日清戦争後だという。少数民族の満州族が漢族を支配する清朝は軽量の統治機構で、税収さえ確保できれば下々まで管理する意思も能力はなかった。貿易に関しても国家としての通商を求める英国マカートニー使節に乾隆帝は「”地大博物”の我が国には何でもあるので貿易の必要はない。⇒2026/06/10
さとうしん
18
清朝の政治体制のあり方からアヘン戦争の意義(のなさ)と、それ以後の展開をたどる。これまでの著者の一般書での議論のエッセンスがまとめられている。「西洋の衝撃」というのはあくまで西洋の視点からの見方であることや、体制あるいは文化的な衝撃については日清戦争など日本との関わりの方が大きかったという点はその通りだと思うが、一方で治外法権が必ずしも「不平等」条約とは見なされていなかったという点などは、江戸幕府にしても同じだったのではないかという点など、「?」と思う所も目に付いた。2026/05/14
電羊齋
13
明清交代期までさかのぼり、清朝の「因俗而治(現地の慣例・慣習により治める)」と「撫夷(夷狄をなつける)」、「官民乖離」という性格を規定する。その上で著者はアヘン戦争ではこれらの性格が変化していないとし、「西洋の衝撃」史観に疑問を投げかける。著者は状況が変わったのは「撫夷」の通用しない脅威(条約体制)として日本の登場によると位置付け、「琉球処分」、日清戦争、その後の国民国家形成過程としての近現代史を取り上げる。本書をまとめれば中国にとっては「西欧の衝撃」よりも日本の衝撃の方が大きかったということだろうか。2026/05/11
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