出版社内容情報
統合失調症の探究、被災者の心のケアなど、苦しむ人の心に寄り添い続けた精神科医・中井久夫。彼は鋭い知性と深い教養に基づき、臨床の現場で思索したことを多彩な文章で綴った。膨大な著作から選りすぐりの6作を紐解き、そこに込められた独創的な文化論や社会に対する深い洞察を読み解く。
【目次】
第1章:「心の生ぶ毛」を守り育てる――『最終講義』
第2章:「病」は能力である――『分裂病と人類』
第3章:多層的な文化が「病」を包む――『治療文化論』
第4章:精神科医が読み解く「昭和」と「戦争」――「『昭和を送る」「戦争と平和 ある観察」
第5章:「記憶」がひらく新たな枠組み――『徴候・記憶・外傷』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
rockwave1873
2
『最終講義』○統合失調症研究の第一人者である中井久夫という人自体を知らなかった○絵画療法や風景構成法によって統合失調症の慢性状態からの回復過程が促進・可視化され、精神科医が希望と感心を持って回復のプロセスに寄り添う事を可能にした『昭和を送る、戦争と平和 ある観察』○戦争を知る者が引退するか世を去った時に次の戦争が始まる例が少なくない○戦争と平和と言うが、両者は決して対称的概念ではない。前者は進行してゆく「過程」であるのに対し、平和は無際限に続く有為転変の「状態」である。だから、心に訴える力が弱い。2025/11/24
アルマジロ
1
「金閣を焼かねばならぬ」の紹介から。入門の内容だけどとても興味が持てたし、この内容でとめているとちゃんと入ってこない気もするので、道を開く意味でも非常に良かった2025/11/17




