出版社内容情報
さん ささーん。わたしは、波。波の1日は忙しい。朝一番で船を沖へと送り出し、さざ波で泣く子をあやす。いたずら小僧と鬼ごっこした後は、海水浴で賑わう浜辺で大はしゃぎ。昼下がり、まどろみから目をさましたら。海ってほら、不思議な出会いがあるでしょう。あなたも海へ来れば、きっとわかるはず。そして、夕陽が沈み、闇がきて、満月が顔を出すとき…? 海の町で育った注目の新進作家・阿部結が、詩情豊に描き出す、やさしく、美しい海の絵本。
内容説明
さんささーんさんささーん。うみってほら、ふしぎなであいがあるでしょう?あさめがさめてからよなかにねむりにおちるまで、なみのゆたかないちにちをえがくうつくしいうみのえほん。
著者等紹介
阿部結[アベユイ]
1986年、宮城県気仙沼市生まれ。中学校の美術教師であり、画家でもある父の影響を受け、幼少のころから絵に親しんで育つ。パレットクラブスクール、あとさき塾にてイラストレーションと絵本制作を学び、書籍装画や演劇の宣伝美術などを数多く手掛ける。2020年、『あいたいな』(ひだまり舎)で絵本作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
58
美しい。爽やかな夢のよう。朝日に輝く海と染まる空のコントラスト。風になびく髪の毛。画面を眺めるだけで爽やかな気持ちになります。阿部結さんの描く人々の穏やかな表情もいい。おじいさんの麦わら帽を拾った若い女性とおじいさんの場面が素敵でした。2023/05/29
けんとまん1007
57
波。海。潮の香。そうそう、波にも一日があり、波に寄り添う人にも一日がある。もちろん、波・海には、様々な顔があある。それでも、こんな一日があることが、心が穏やかになる。2023/07/17
とよぽん
54
とにかく美しい絵に、海の恵みを感じた。また、生きもののような波の様子が面白くて、『なみのいちにち』の世界に遊ぶ読書のひとときだった。なみのうたは「さん ささーん さん ささーん」と穏やかで。カバーの折り返しに作者 阿部 結さんのプロフィールがあり、『鬼ばばの島』の絵を描いた方だということがわかった。そう、あの絵本にも広大な海が描かれていた。2022/08/29
ぶんこ
53
波の歌は「さん ささーん」とは!そうなんだ。今度海に行ったらききたいです。海にも一日がすぎていって、また新しい一日がやってくる。素朴で可愛らしい海の絵。笑ってる。鬼ごっこしたり、お昼寝したり。海への愛がいっぱい。海をこういうふうに感じたことがなかったので新鮮でした。素敵な絵本。著者が気仙沼出身とは。感無量です。2022/10/08
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
37
阿部結さん6冊目。波目線で描かれているのが斬新で好き。波は訪れるたびに全く違う顔しているから、こんな顔してるのかな~って想像するだけでワクワクする。2023/10/12