感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
20
【1回め】どうにも退屈で、攻めあぐんでいた『銀の匙』。45%程度のところで放り出してしまっていたが、この著を読むことに決めたのをきっかけに、再挑戦することにした。意外なことに、少しだが読めるようになっていた。あとは本編を読んでから、書くこととしたいと思う。2020/09/07
nao1
12
著者の感覚まで降りてゆく読書は至福でしょうね~。斉藤孝さんは インプットのアウトプットにも優れた読書の達人ですね。 『銀の匙』は未読ですが、ずいぶんと、戦前の失われた風俗が情緒豊かに描写されているようです。それを深く味わう方法や 人の情緒のあつかいなどの解説をされています。斉藤孝さんはご自分が書き込みをした本がとても大切で新品に取り換えられるのは耐えられないそうです。私はいじわるなので、そういう人がいたらこっそり新品に取り換えたくなりそうです。2018/03/08
鳴海
11
銀の匙の余韻冷めやらず手にした。自由に読むのも勿論楽しいが、手引書は何とも有り難い。読む程に改めて名著なのだとジワジワ迫りくる。あぁ、銀の匙を16歳の時に読んでいたら。せめて10年前にでも。けれど著者はきっと、(遅すぎる事など無い)と言ってくれる気がする。今の私はこれで良いのか?と言う問いに、目を瞑っている負い目があるが、少しだけ心の軽くなる答えを貰った。(人生を美しく感じ、深みあると感じる力が豊かに生きる為に重要)。これなら私にも可能性は残っている。私の銀の匙を見つけ、そしてこれからも作ってみたい。2021/02/05
ムーミン2号
7
中勘助の『銀の匙』は学生時代とここ数年の内と2度読んでいるが、斎藤孝氏による中学生(1~3年、15名)への講義である本書を読んでみると、また違った読みができることがわかってきて面白い。三色ボールペンで線を引いたりしながらの読書はしないせいか、『銀の匙』本文の中にそんなにオノマトペが散りばめられていたなんて記憶になかったが、中勘助がそういった表現が上手い作家であったことは新しい発見だった。この作品がそれに止まるわけでないのは言うまでもない。齋藤流の「読書とは」も熱く語られている。2018/03/12
よし
6
以前読んだ「銀の匙」のよさを中学生に丁寧に、熱をもって授業する。「だれもがやがて定年を迎えると、能力を問われない世界に帰って行く。その時、世界を美しいと感じ、深みを感じる力が、低流に地下水のように潤いに満ちているかどうか。」「私を全面に受け入れてくれる存在」「失われた時を惜しむ思い」「カラマーゾフの兄弟のラストの、アリョーシャの台詞~子どもの頃の素晴らしい思い出以上に、尊く、力強く、健康で、ためになるものは何一つない。」 2018/10/29