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産巣日(むすび)の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
85
NHK-Eテレ「100分de名著」のテキスト。コロナの影響で1か月遅れの放送。かなりの難関とのことで、テキストを読んだり番組を見る前は正直、不安だったけど、哲学の世界で起こっていた対立軸とか、哲学はよく生きるためのものだという考えとか、西先生の言う通り、なぜ書かれたのかを知ると読めるというのはなんとなく分かる気がした(全部理解するには程遠いけど)。伊集院さんはカントの“人”が見えてきてぐっとくると言っていたけど、解説を聞いてとても分かりやすい例えを提示する伊集院さんに私はぐっときた。2020/06/22
1959のコールマン
77
☆5。良書。読んでよかった!哲学の難問のひとつ「主客一致の問題」を、主観同士を一致させる形をとったことには思わず膝を打ったが、それより自然科学と人文と両方を見渡す哲学を築いた手法には驚愕した。哲学の問いそのものを吟味する手法、共通理解に至るために何が必要か、と見方を変えたりと、色々功績があるのね。もちろんカントの「偏り」(道徳を議論不可能な領域としたこと)の部分も書かれており、バランスもとれている。推薦本。ちょっと難しいがトライする価値充分あり! ワタクシの雀の脳味噌でも何とか理解出来ましたから。2020/06/16
かみぶくろ
65
3.2/5.0 かなり分かりやすく説明してくれているので、カントが言わんとしていることは朧げながら理解できた。ただそのうえで、カント自体にあまりピンと来ないというか、ものすごく抽象的な空論をつらつら述べているだけのように思えて、実生活との接続は難しく感じたし、知的なワクワク感もなかった。これは明らかに自分の哲学的資質のなさに由来している。2021/02/13
shikashika555
45
よしっ!と思って番組を見た。 うむ。なるほど。わかる。 ? わかる? わかるとこはわかるな。 …たぶんわからないところはその存在を認識できていない状態なんだろうな、とも思える。 しかしこういった哲学入門を読む度に「これ、本だけで学ぶより実生活で学んだ方が効率よくないか?」と感じることがしばしば。 学問が非労働者階級のものであった時代には、労働を通して社会を見ることができなかったんだろうな。 なので 学問として 概念や用語を創り出していったのだろうか。 2020/07/03
ゆう
44
ドストエフスキーや夏目漱石を面白く読み進めるうちに、西洋の近代思想が世界に与えたインパクトの大きさに改めて驚き、その思想の背景(どのような思考の枠組みが近代を準備したか)ということを理解したいと思い、まずはカントを読もうと試みている。「純粋理性批判」タイトルからしていかにも難解そうな本書に怖気づき、初心者が難解な書籍に挑む際の強い味方・100分de名著をまずは読了。さすがです。難解なカントの用語やキー概念を、西研さんがかみ砕いて説明してくれます。特に11ページの感性・悟性・理性の図は印刷して壁に貼りたい→2020/08/13