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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すたんど(Showji)
34
【2回目】6/8に予定している『生きがいについて』の読書会の参考にと思って再読。Kindleでマーキングした行をピックアップし、ノートにしながら摘読。キーワードは、「つながる」「見出す」「待つ」の3つではなかろうか。生かされているものとして、自然と歴史に「つながる」。悲しみを導きの光として、社会の中で疎外され、うめいている人を「見出す」、また、自分の中から既にあったものとしての生きがいを「見出す」。そのためにも、「待つ」ことが重要と、若松さんが述べている。神谷さんの原文にも当たらなくては。2018/06/06
すたんど(Showji)
34
【1回目】もはや1人の若松ファンとして刊行を待ちわびていたものの、読了には時間がかかった。長寿番組・100分de名著5月度に取り上げられる『生きがいについて』の解説本である。読んでいるうちに、どこからが原著者である神谷の思想で、どこからが若松さんの思想であるのかがわからないくらいに「一体化」して迫ってくる。石牟礼道子にとって水俣病があったように、神谷にとってハンセン病があったのかもしれない!と思って読んでいたら、何のことはない、若松さんがご指摘されていた。もちろん、原著も読む予定でいる。オススメの1冊。2018/05/11
呼戯人
22
若松英輔による神谷美恵子の「生きがいについて」の読解。30年ほどまえ、初めて神谷の「生きがいについて」を読んだときの鮮烈な感動を思い出す。若い時、人生の空虚と無意味に悩んでいた頃、この本と出会い深い感動と打ち震えるような慈愛を感じたことを思い出した。長島愛生園のハンセン氏病患者たちの精神衛生を担当しながら、絶望と苦悩、悲哀と無力に浸された魂を導く超越的な光の存在を発見し、神谷もこの光に導かれて自分の使命感を自覚してゆく過程が描かれる。絶望と悲哀の底から使命感に満ちた生きがいが生み出されてくる変革体験を描く2018/05/01
豆ぽち
21
どこで読んだのか思い出せないけど、『街の地下水脈を通して、私たちは悲しみで繋がっている』というような内容の一節を思い出した。悲しみを抱いて生きる強さを得る。そんな人生にしていこうと思う。『神谷は「私はいかにして生きるか」から「私はいかに生かされているか」への次元の転換が起こるとき、「生きがい」はそこに静かに姿を現わすというのです。』2018/06/18
はるわか
19
生きがいの喪失は誰にでも起こり得る。生きがいの「発見」。感情の扉を開いて読む。持続の中にある「生きがい」。生きがいを「与える」ことはできない。「自分がしたいと思うこと」と「義務」の一致。自らの使命と出会う。個の悩みに潜む「人類の悩み」。「待つ」という営為。闇の奥に光を見る。「かなしみ」が導く光。悲しみの深みで他者とつながる。使命感が人を動かす。支えとしての「変革体験」。いかに生きるかではなく、いかに生かされているか。2019/06/02