出版社内容情報
どうして、うまくいかないんだろう?
ストーカ殺人事件など、純愛にまつわる問題を目にすることが多い昨今、なぜ愛は失敗するのか、現代主本主義社会におけるさまざまな愛のあり方、その問題点を鋭く指摘した「愛するということ」は、17か国に翻訳され、50年以上にわたり読み続けられている。このベストセラーに、恋愛の困難さとその出口を探る。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みき
42
実は原著をだいぶ前に購入し、最近親戚からも貰ったため二冊持っている。しかし、以前途中まで頑張って読んだけど挫折してしまっていた。献本をきっかけにちゃんと理解したいと思い、この本に出会った。 この本は解説だけでなく、原著を理解するための背景知識も含まれているので概要を把握できたかと思う。 原著の主張は正しいように思う反面、本当にそうなのかと懐疑的にみるとよくわからなくなってくる(笑) でも、愛されることよりも愛することに重きを置く方がより幸せでいられて、人との関わりで成長できる気がする。2018/04/06
Rie【顔姫 ξ(✿ ❛‿❛)ξ】
27
ずっと昔に読んだことがある気がする本。100分de名著の番組を見つつ、テキストも読んでみた。題名が遠ざけてしまう読者もいるかと思うけれど、原題は、The Art of Loving. すなわち、「愛の技術」。でも、テクニックやマニュアル本などではない。そのに書かれているのは、現代人が抱える自由とひきかえの孤独、資本主義社会のなかで愛の対象を選ぶ際にも市場原理が入り込んでしまうこと、ナルシシズムなどについてだ。全部理解できたとはいえないけれど、愛について考えるきっかけになる1冊だと思う。2014/03/02
とまと
14
再読。現在の部署から新しい部署への移行期にあたるのだが、第二章を読んで、今の部署の仕事が楽しいのは、今行っている仕事が誰の役に立つのかが明確で、かつ対象が身近であること、その対象が喜んでくれたりあるいは不満を感じたりといった反応が即返ってくることなどによるのだろうと思った。新しい部署の仕事についてはまだよく分からないが、恐らくその辺は変わってくるだろうから、少し心配だなあ。/集団への同調が孤独の解消に対する根本的な解決策にはならないと分かっていても…というもやもやを、しばらくは抱え続けるのだろう。2014/06/07
kaya
11
『こんなに好きなんだから、これぐらいしてくれて当たり前。』愛に見返りを求める姿勢は、資本主義経済に生きる我々が"等価交換の法則"や"損得勘定"を愛においても適用しようとしているからに他ならない…フロムの主張は問題とすら感じていなかったことまでも気づかせてくれる。気づいていない時点で、自分が既にこの経済中心の社会の一部となのだろう。もはや現代の社会ではフロムの言う本当の意味での愛は誰も体現できないのかもしれない。それでもいい。まずは自分の一番近しい人から愛していこう。2014/02/02
madoka
8
非常にわかりやすく、あっという間に読んだ。おもしろい。たくさんの言葉が印象に残ったがその中でも2つ。1つは、交換は「与える」ことから始まった。与えられた者は「お返し」をする。交換が生まれたのは与えることから始まった。もう1つは、「相手が今幸せなのかどうか」を考えること。2014/03/03