出版社内容情報
それは「現れるに値するもの」だ
「ブルーフィルム」と言われてピンとくる人はどれだけいるだろうか? 本書は気鋭の現象学者がまさに今失われつつある「違法のポルノ映画」の世界を読者の前に甦らせ、この社会で疑われることのないビジョンを動揺させる。過去のブルーフィルム研究も総括した、瞠目の哲学書!
(仮)
はじめに 禁じられた映画を見る山田五十鈴
序章 経験を通じて思考すること ――「土佐のクロサワ」と現象学
第1章 ブルーフィルムとは何かと問いながら
第2章 ブルーフィルムを見るとはどのようなことか
第3章 ブルーフィルムは何ゆえに美しいのか
第4章 ブルーフィルムを前にして何をすべきか
第5章 ブルーフィルムはどのような(不)自由をもたらすのか
第6章 ブルーフィルムとともに生きるとはどのようなことか
終章 現れるに値するもの ――ヴィジョンの哲学へ
内容説明
現象学でポルノの世界を描き出す!性行為を無修正で映した違法の映画・ブルーフィルムは、なぜ多くの表現者を魅了し、文化圏まで生み出してきたのか。興味本位の報道でも、映画の専門家による批評でもない形で、このジャンルが持つ今日的意義を明らかにできないか―本書は、最も有名な製作者「土佐のクロサワ」の作品を中心に、多様な証言を集めてブルーフィルムの世界を甦らせる。さらに、ポルノを見る経験を現象学と「ビジョンの哲学」によって多角的に分析して、そのポジティブな可能性を明らかにする。精緻な思考の実力者による、ポルノグラフィ論の決定版。
目次
序章 経験を通じて思考すること―「土佐のクロサワ」と現象学
第1章 ブルーフィルムとは何かと問いながら―8ミリフィルムと映写機
第2章 ブルーフィルムを見るとはどのようなことか―脱ぎ捨てられた下駄
第3章 ブルーフィルムは何ゆえに美しいのか―ベルグハイン詣で
第4章 ブルーフィルムを前にして何をすべきか―『天使のはらわた 赤い教室』のブルーフィルム
第5章 ブルーフィルムはどのような(不)自由をもたらすのか―土地に住まう
第6章 ブルーフィルムとともに生きるとはどのようなことか―旅に出る人
終章 現れるに値するもの
著者等紹介
吉川孝[ヨシカワタカシ]
1974年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業、同大大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(哲学)。高知県立大学文化学部准教授を経て、甲南大学文学部教授。専門は現象学にもとづいた、現代倫理学、映画の哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
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Ta283