出版社内容情報
武力だけでは権力を維持できなかった。正統性なき政権の、支配の正当性とは何か。
700年におよぶ”武士の政権”について、私たちはどれほど本当に知っているだろうか。「清和源氏でなければ征夷大将軍になれなかった」「”鎌倉幕府”は後世の学術用語で、当時は使われていなかった」などの数々の誤解を正すところから始め、古典から最前線までの学説も総括。「京都を食糧で満たす」ことが正当性の根拠となった古代の「都市王権」から、「法の支配」も意識された鎌倉・室町期を経て、「伝統としての権力」が強調される江戸時代までをたどりながら、支配の正当性がその折々にどうアップデートされてきたのかを、歴史学・政治学・社会学・哲学の垣根を越えて描き出す。日本史を見る眼が一変する、かつてないスケールの歴史書!
内容説明
武力だけで権力を維持できたのか?京都を食糧で満たすこと、法による支配、「伝統」としての権力…アップデートされてきた「支配の正当性」を問う、かつてないスケールの歴史書!
目次
第1章 平家政権といくつもの幕府(幕府をめぐる基礎知識;平家政権をどう捉えるか)
第2章 鎌倉幕府、正しくは東関幕府―正統性なき北条氏の正当性(都市王権と武力―一一八六年、鎌倉幕府誕生の前提1;義経の結婚―一一八六年、鎌倉幕府誕生の前提2;正当性の更新と「幕府」呼称の誕生)
第3章 足利将軍家の時代―二つの変動期と正当性の変容(鎌倉末期~南北朝期の転換;統治権的支配とは何か―足利将軍家の正当性;足利将軍家の正当性の推移;足利政権中期の正当性の変化;物流構造の変動と転換期としての十五世紀後半;戦国大名と「公儀」の行方)
第4章 織豊政権―近世の始動と中世の終焉(近世の始動と中世の終焉;中世の黄昏としての織田政権;豊臣政権と中世の否定)
第5章 江戸幕府は完成形なのか―生存の近世化(生存の近世化という視点;正当性から正統性―家康の神格化と近代天皇制の創出;曲がり角としての一六八〇年代;幕府と「被災者」救済―正当性の行方)
著者等紹介
東島誠[ヒガシジママコト]
1967年、大阪府生まれ。東京大学文学部国史学専修課程卒業、同大大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻博士課程修了、博士(文学)。現在、立命館大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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