NHKブックス<br> 「棲み分け」の世界史―欧米はなぜ覇権を握ったのか

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「棲み分け」の世界史―欧米はなぜ覇権を握ったのか

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140912225
  • NDC分類 209
  • Cコード C1320

内容説明

かつて文明に程遠い周縁の地であったヨーロッパが武力によって世界を支配して以降、国際秩序に変化はない。彼らの飛躍的発展を可能にしたものは何か?フランク王国の統治システムから産業革命までを分析してヨーロッパ・アメリカ独特の行動特性をえぐり出し、そのダイナミックな展開として八世紀以降の歴史を描きなおす。初期条件としての封建制と人口分散が資本主義とサイエンスに与えた影響を解明して、歴史の基本構造を明快にとらえる挑戦的な試み!

目次

第1部 自生的・生態学的棲み分け―欧米の前提条件(ヨーロッパの古代―フランク王国とは何か;封建制と人口分散―権力と人口・都市(市場)の棲み分け
サイエンスの誕生―富の棲み分けと職人たちの欲望
貨幣関係のネットワーク―資本主義はなぜ浸透したか
ソ連と日本―欧米資本主義の変種)
第2部 能動的棲み分け―欧米を飛躍させた真因(キリスト教の変質―聖俗の棲み分け;ナショナリズムの隆盛と時計の発達―空間・時間の棲み分け;ナチスとアメリカの人種差別―人間の棲み分け;ロシアとEUのゆくえ―ヨーロッパ化の限界)
サイエンス・資本主義・能動的棲み分け―三つ巴のゆくえ

著者等紹介

下田淳[シモダジュン]
1960年、埼玉県飯能市生まれ。青山学院大学文学部史学科卒業。同大学院、ドイツ・トリーア大学留学、東京都立大学助手、宇都宮大学助教授などを経て、宇都宮大学教授。博士(歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

TheWho

13
歴史上辺境の地でしかなかったヨーロッパが、近世になり世界中を蹂躙し支配出来たのか。またその支配が現代迄欧米主導として君臨しているのかと云う問いかけに、宇都宮大学教授の著者が、資本主義とサイエンス、そして機能的棲み分けと云う3つのキーワードで論述する一冊。本著は、ヨーロッパの歴史を8世紀のフランク王国の成立から初め中世の封建制がヨーロッパ文明の成立と定義し、その後の資本主義とサイエンスの影響から収奪、紛争の歴史を論述している。現在の国際情勢や民族紛争、そして南北問題等を改めて考えさせられた一冊です。2015/10/09

かんがく

10
著者独自のヨーロッパ史が展開されるが、すべてを「棲み分け」で説明してしまうのはあまりにも暴論すぎないかと思ってついていけなかった。章立てなどは魅力的だっただけに残念。2023/05/11

Y田

9
ヨーロッパの「資本主義とサイエンス」がどの様に成立して現在に至っているかを論じる。本書ではカール大帝フランク王国以降の、非中央集権体制(封建制、君主,領主制)により富と権力が分散される「生態的棲み分け」が要因だとする。興味深かった…のだが、後半が、、「資本主義は収奪,詐欺,ソ連が失敗したのは植民地が無かったから,私はガラケーのままでいい,日本の豊かさはトイレの新聞紙がペーパーに変わった程度…etc...」こーゆう系の結論に持っていく為の論だったってゆうか…うん(-_-)… ディスってすいません……2022/02/13

むとうさん

9
封建制や人口の散らばりといった「自生的棲み分け」に始まる棲み分け(アダム・スミス的な「分業」に近いものがあるかもしれない)から全てを一本の糸で説明し、欧米を特徴付けていくのは確かに面白く、納得させられる点も多い。欲を言えば「自生的棲み分け」のもとを解き明かしてほしかったところだが、そこは歴史学の対象外なのかもしれない。しかし、資本主義の理解がどうも(古典)マルクス的収奪概念であったり、「豊かさ」をとりあえず否定してみたり、結論ありき、イデオロギッシュな香りがして途中から素直に読めなくなってしまった。2014/11/08

キリル

5
「棲み分け」という視点はとても面白いと思います。欧米が覇権を握れた理由をサイエンスと資本主義という二つの観点からよく考察されていると思います。欧米と他の地域との比較においても欧米のようになるために足りなかった点を指摘してあり、単に欧米が優れていたからにとどまっていなかったのがよかったです。しかし、すべてが欧米からの影響というのはすこし考えるべき点かと思います。時計の話はとても興味深かったです。2014/11/03

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