NHKブックス<br> 森林飽和―国土の変貌を考える

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森林飽和―国土の変貌を考える

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140911938
  • NDC分類 652.1
  • Cコード C1336

内容説明

緑の木々に覆われた山を歩きながら、私たちは、そこが五十年前にはげ山であった姿を想像できるだろうか?山の地肌が消え、土砂崩れが減り、川から砂がなくなる―これら二十世紀におきた変化は、日本史上初のものだった。変化は副作用をもたらす。サルやクマの人里への出没、海岸の道路を崩壊させる“砂浜流失”、そして花粉症。各地で起きる問題の根源に山地の変化があることを見抜き、土砂の流れを分析して私たちの誤った思いこみを次々と覆す。自然環境と災害について発想の転換を迫る提言の書。

目次

第1章 海辺の林は何を語るか―津波と飛砂
第2章 はげ山だらけの日本―「里山」の原風景
第3章 森はどう破壊されたか―収奪の日本史
第4章 なぜ緑が回復したのか―悲願と忘却
第5章 いま何が起きているのか―森林増加の副作用
第6章 国土管理の新パラダイム―迫られる発想の転換

著者等紹介

太田猛彦[オオタタケヒコ]
1941年東京生まれ。東京大学大学院農学系研究科博士課程修了後、東京農工大学助教授を経て東京大学教授、東京農業大学教授を歴任。東京大学名誉教授。砂防学会、日本森林学会などで会長を歴任。日本学術会議会員、林政審議会委員を務め、現在FSCジャパン議長。専門は森林水文学・砂防工学・森林環境学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくせい@やまもとかねよし

140
「防災」から「減災」へ。自然への謙虚な対峙を提案し、現代の異常現象対策を訴える論説。昨今注目の里山。世間がもつ誤解を題材に国内の産業発展で紐解く。古代の窯業、水田開発、建材で活用された木材は、江戸期に発展した窖窯、製塩、製鉄で乱伐され、下流河川の災害を深刻化。明治期には治水治山の国土保全政策が開始。一方、急激な産業発展は農工業でその資源を木材から化石燃料に変遷させ、国内森林の活用が著しく減少。荒廃した森林は、深層崩壊による土砂災害リスクを増加し河床の低下と海岸の後退を生じ、異常気象がリスクを高めると警鐘。2021/11/18

tamami

65
明治以来、当地の近在の山々の多くははげ山だった。折から勃興してきた製糸工場で、森林の木々が燃料として使われたからである。はげ山を緑なす山々にとの思いは長く人々の意識の底にある。著者は、現在の日本の山々は、量的には森林飽和とも言うべき状態であるという。その上で、地方の過疎化に伴う里山の変貌や林業の現状などを踏まえて、はげ山に樹を満たすだけの政策から、より精緻な見通しのもと、森林河川を含む国土管理を考えていくことが必要であるとする。著者の解説は、詳細な説明と数字でやや煩瑣にも思えるが、趣旨はよく伝わってくる。2024/05/09

南北

42
現在の日本の森林は飽和状態にあるという本です。明治時代の写真や江戸時代の浮世絵でもはげ山だらけだったり、木がまばらにしか生えていない状態だったのは初めて知りました。かつての里山は木を伐採しなくなったので、「奥山」になってしまい、サルやクマが人里に出没したりするなど様々な影響が出ています。ただ、具体的な対策となると木を伐採しても利用方法がないので、里山を回復するのは困難でしょう。とはいえ、思い込みを打破してくれた点は高く評価したいと思います。2019/09/06

HMax

31
緑豊かな日本の山、僅か100年ほど前までは北朝鮮のような禿山だった。飛砂に飲み込まれる山形県鶴岡市の民家、東海道五十三次「鞠子宿」茶屋の後ろは禿山、山崩れ(表層崩壊)は現在の約100倍、死者も10倍以上、里山は収奪された荒地だった、等々、目から鱗の事実に驚き。量的には飽和に達した森林だが、質的にはまだまだ。といっても木材の価格が50年前と同じ、松葉・柴・落ち葉などの使い道もなく、放っておくしかないのか?2019/11/04

ばんだねいっぺい

19
目からウロコの知見がいっぱいな良書。森山と海岸の重要なつながり。2016/01/21

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