内容説明
シュルレアリスムという新時代の芸術運動に出遭った同時代の日本人画家たち。古賀春江、福沢一郎、三岸好太郎、飯田操朗らの作品を独自の視点から精緻に読み解き、シュルレアリスム・イメージの伝播と受容の実態を明かす。日本シュルレアリスム絵画の誕生の瞬間を描き出し、花鳥風月を描く日本の伝統の中で、シュルレアリスムがもたらした新たな絵画の可能性を探る、気鋭の清新な論考。
目次
1 シュルレアリスム絵画の誕生
2 シュルレアリスム・イメージの移入
3 二科展におけるシュルレアリスムの出現―東郷青児と阿部金剛
4 古賀春江―同時代のイメージと超現実主義私感
5 福沢一郎―シュルレアリスムの衝撃と葛藤
6 三岸好太郎と飯田操朗―シュルレアリスム的表現の導入
著者等紹介
速水豊[ハヤミユタカ]
1963年生。神戸大学大学院文学研究科芸術学芸術史専攻修了。姫路市立美術館学芸員を経て、現在、兵庫県立美術館学芸員。専門は20世紀美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コットン
63
シュルレアリスムを日本に紹介するところから名前だけが先行していたり、日本のシュルレアリスム画家として有名な古賀春江の一番知られている『海』の部分解説ではフォトモンタージュ的手法により一般的な科学雑誌『科学画報』からの写真をアイデアの一部にすることで同時代のイメージを上手く使っていたりするのが丁寧に解説されていて読み解いていくような面白さがある。また、福沢一郎のマックス・エルンストの『百頭女』との衝撃的出会いも良い。2020/08/07
ねこさん
15
古賀春江の章。コラージュっぽいと思っていたけど、実際に雑誌のグラビアから引用していたり。そもそも雑誌のレイアウトがコラージュ的になった時期のようで、思考が時代によって自由になり同時に規定されるんだなという感じ。2025/07/14
kthyk
15
フロイトの精神分析やシュルレアリスム芸術は大の苦手。しかし、気になり読んでみた。テーマは「日本の絵画史において西洋の近代を支えるシュルレアリスムをどう受容したか」。「結果として、ヨーロッパが問題とした真の近代性、反芸術性は日本の絵画の中では一切受容されていなかった」というのが著者の見解。芸術家たちのバイブル、瀧口の近代芸術は本の中だけの話。しかし、日本の画家たち個々人の超現実主義が個々の絵画として作品化されたことだけは事実。著者は新たな絵画の触媒となったと結び、慰みとも聞こえる、一定の評価を与えている。2021/01/17
多喜夢
8
板橋区立美術館で開かれている「シュルレアリスムと日本展」を見たばかりなのでその復習にと読んだ本。古賀春江、福沢一郎らシュルレアリスム初期の画家たちがいかに日本でシュルレアリスム絵画に取り組んだかを紹介。とにかく彼らの絵に描かれている(コラージュされている)題材の元の素材を当時の世界中の雑誌や書籍などから探してくるのは並大抵の苦労ではないと研究者の努力に感服した。2024/03/15
ヒ
2
調べ力(ぢから)が半端ではない。えらい。面白かった2018/01/09




