NHKブックス
ロシア文学の食卓

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  • サイズ B6判/ページ数 249p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140911266
  • NDC分類 980.4
  • Cコード C1398

内容説明

難解で深遠なイメージがつきまとうロシア文学。だが、実際はけっして暗く重苦しいものではない。即物的な「食」「料理」という観点に注目してみると、さまざまな食事風景が描写されてきたことに気づく。皇帝の豪華な晩餐に、素朴だが家族で囲む食卓…。食卓に現れる料理の数々は、ロシアの多様な地域性、宗教、ときには時代背景や思想をもわれわれの眼前にうつしだす。ロシア文学を、「食」というプリズムをとおして読みなおし、その多彩な世界を浮かびあがらせる、味わい深い一書。

目次

第1章 前菜
第2章 スープ「第一の料理」
第3章 メイン料理「第二の料理」
第4章 サイドディッシュ
第5章 デザート
第6章 飲み物

著者等紹介

沼野恭子[ヌマノキョウコ]
東京生まれ。東京外国語大学卒業、東京大学大学院博士課程(比較文学比較文化)単位取得満期退学。現在、東京外国語大学教授。NHKテレビ「ロシア語会話」の講師も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紫羊

39
「亡命ロシア料理」が面白かったので引き続き。私にとってロシア文学といえばサモワールのイメージが強い。ツルゲーネフの「初恋」でも印象深いシーンで使われていた記憶がある。この本の中では、ロシア料理に関連して多くの文学作品が登場する。思いもかけずウリツカヤの「ソーネチカ」にも再会した。楽しい本だった。2018/02/02

nina

30
ロシア文学に登場する料理、伝統的な家庭料理や大衆料理、また上流階級が食したフランス由来の高級料理を、フルコースの順番で前菜、スープ、メインと章立てて紹介。ちなみにフルコースを一皿ずつ順番に供する給仕法はフランスが元祖かと思いきや意外にもロシアが最初だとか。今までロシア文学にはそれほど縁がなかったが、解りやすい解説と適度な引用文のバランスが絶妙なお陰で読みたい作品が増えたし、これから作る予定のロシア料理のイメージも膨らんでテンション上昇!しかしながら、飲み物の章にウォッカがないのは片手落ちではなかろうか。2015/02/16

Kouro-hou

21
読む飯テロ本、ロシア編。あまり馴染みの無いロシア料理をロシア文学の飯描写解説を通して紹介する本。ただし序章は谷崎『細雪』からの引用で入りやすく、前菜、スープ、メインとコース形式順に紹介されているのも盛り上がるし、取り上げられる文学の場面もロシアの歴史の流れに沿っていて文学、料理のみならずロシアの文化全般を教えてくれる入門書としても面白い。ピロシキとボルシチしか聞いたこと無くても大丈夫!文豪の皆さんの描写力で何でも美味しく読めます!wドストエフスキーなど所謂大文豪から近年の作家までのブックガイドとしても良。2016/04/17

三柴ゆよし

21
お腹がすく一冊。ロシア文学というと、どうしてもその精神性が云々されがちだが、食卓を彩る料理の描写はいつも美味そうなんだよなと、常日頃から思ってきた精神性皆無のわたくしには、まさしくうってつけの本であった。特にロシアの伝統的清涼飲料クワスについては、ウラジーミル・ソローキンの狂気の長篇『ロマン』の中で、サウナで汗を流しながら柄杓でがぶ飲みするシーンがあって気になっていた。本書によると「麦茶を少々甘くしたような味で微炭酸がある」んだとか。なんとなく味が想像出来てうれしい。これはそのうちがぶ飲みせねばなるまい。2013/01/14

かもめ通信

19
斜め読み。ゴーゴリ,チェーホフ,トルストイ,ドストエフスキーにブルガーコフ,ソルジェニーツィンにウリツカヤまで,どの作品のどの部分を引用し,どの食べ物を紹介しているかという点はなかなか興味深かったが,巻頭の数ページだけでなく要所要所にカラー写真があったらもっと美味しそうだったのになあ。黒パンをかじりながらクワスが飲みたい。2017/04/14

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