内容説明
神秘的な霊力が日常の延長として語られるベンガルの聖者たちの世界では、今も、聖者や修行者たちによって光に包まれる照明体験や天界飛行など不思議な出来事が体験されている。霊験あらたかな聖者を祀った廟では、祭礼・縁日が催され、バウルと呼ばれる歌い手が宗教歌を歌い、にぎやかな祝祭的空間が営まれる。また、近年、ムスリムの宗教的ナショナリズムが強調されるバングラデシュにあって、イスラームとヒンドゥーの共存を目指す鍵として聖者信仰に新たな光が当てられている。心の癒しとして機能する聖者たちの世界に迫り、グローバル化の中で変容を遂げつつある、スピリチュアルの新たな可能性を問うユニークな一書。
目次
第1章 スピリチュアルな夢―ある女性修行者の物語
第2章 三蔵法師の訪れたバングラデシュ
第3章 聖者廟をめぐる苦悩―ヒンドゥー教とイスラームのはざまで
第4章 辺境のハオル地の村で―マドブのさかさまの世界
第5章 国境を越える聖者―ダッカの街の風物詩
第6章 世界遺産としての聖者廟―バゲルハートのカーン・ジャハン・アリ廟
第7章 聖者たちの世界―タゴールの神秘体験
著者等紹介
外川昌彦[トガワマサヒコ]
1964年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。同大学院社会学研究科博士後期課程修了。Calcutta University、及びNorth Bengal Universityに留学、博士号を取得。その後、バングラデシュの各地でフィールドワークを行なう。専門は文化人類学。現在、広島大学・大学院国際協力研究科・准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
browneyes
メルセ・ひすい
かりんぱに