NHKブックス
日本人になった祖先たち―DNAから解明するその多元的構造

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140910788
  • NDC分類 469.91
  • Cコード C1345

内容説明

最近、DNAの分析技術が飛躍的に進歩し、現代人はもとより古人骨に残された遺伝子から日本人のルーツとなる人々が溯れるようになった。アフリカを出た人類がどのような道をたどって東アジアに到達し、日本列島へ渡ったのか、分子遺伝学の立場からその足跡に迫る。また、縄文人が先住する日本に大陸から稲作技術を持った弥生人が移り住んできたという日本人の二重構造論をDNA分析から検証。縄文から弥生への移行は平和的に行なわれたのか?渡来した集団の規模は?さまざまな疑問に縄文・弥生人の遺伝子分析から答える意欲的な一書。

目次

第1章 遺伝子から人類史をさかのぼる
第2章 出アフリカ―ミトコンドリアDNAが描く新人の拡散
第3章 DNAが描く人類拡散のシナリオ
第4章 アジアへの二つの道すじ
第5章 日本人の持つミトコンドリアDNA
第6章 日本人ミトコンドリアDNAの地域差―北海道先住民、沖縄、そして本土日本人
第7章 古人骨の語るもの
第8章 日本人になった祖先たち
第9章 父系でたどる人類の旅路―Y染色体を追う
第10章 DNAが語る私たちの歴史

著者等紹介

篠田謙一[シノダケンイチ]
1955年静岡県生まれ。京都大学理学部卒業。博士(医学)。佐賀医科大学助教授を経て現在国立科学博物館人類第一研究室長。専門は分子人類学。日本や周辺の諸国の古人骨DNA解析を進めて、日本人の起源を追求しているほか、スペインによる制服以前のアンデス先住民のDNA研究から、彼らの系統と社会構造について研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

16
ミトコンドリア・Y染色体DNAから、民族とか国という概念が、血縁とはまるでちがうものだということが示される。現人類は、たった6~7万年前に、アフリカを出たわずかな人数から世界に広まった、というのはパラダイム・シフトに近いと言っていいだろう。世界各地の旧人から進化したと思いこんでいる人も、いまだに多いのでは?2013/11/09

mackane

15
日本人を構成するDNAグループのルーツを、人類の起源に遡りながら、探っていく本書。最古の人類は600〜700万年前にいたサヘラントロプス・チャデンシスではないかといわれているが、日本と呼ばれるようになったエリアに猿人や旧人がいたかは明らかではない。7万年前にアフリカを出た新人が、5万年程前に南ルートから、3万年程前に北ルートからこの地域に住み着いた。よく縄文人と一括りにされるが、数万年の年月の中に様々なDNAグループの人々が移住してきており、多様な構成であったと言える。少し古いが、丁寧な記載で読みやすい。2014/02/23

なつきネコ

13
なかなか難しくて、半分ぐらいはわかったかな。しかし、出アフリカからの、分岐の壮大さを見ると、人類はとんどもない旅路を辿ったんだなと。ビックリしたのは漢民族と言いながらも南北で、遺伝子が違い、一概に一つの民族だと言えない事とか、アイヌは縄文の血や文化を継いでいると言われていたが、オホーツク文化から受け継いでいたとか。さらには北極海を通り東アジアからヨーロッパに向かった人がいたのには驚いた。2015/05/20

ハイパー毛玉クリエイター⊿

11
日本の国土には先に縄文人が定住していて、のちほど弥生人が大陸から渡来…というイメージがあったが、本書によってそれが覆された。おかげで、日本人とは何なのか、ますますわからなくなったけれどw 本書の著者のように分子レベルの人類研究をなさっている方と、歴史学者、さらには言語学者が情報交換を盛んに行えば、古代の人々の交流や移動、分布の在り方も重層的に見えてくるのではないかなぁ。それぞれを別個の知識としておく現状では、全体像が見えず、もったいない。リンクできればいいのになぁ。2015/10/30

那由田 忠

9
 ミトコンドリアにDNAがあって母体から子供に受け継がれるので、この系統を分析することで人類の多様性の広がりが分かる。2000年以降に進んだこの研究に従って、ハプログループと呼ぶ系統の固まりが、地域でどんな分布かによって相互の関連を推定していく。例えば、縄文人がすでに朝鮮半島との類似性の高いことがわかる。  男性にしかないY染色体のDNA分析でも似たようなことができる。意外なことに、ミトコンドリアからの分析と異なって、中国や韓国でなく日本人はモンゴルとの類似が高い。研究が進んで本当の関係が分かるといいね。2014/03/18

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