NHKブックス
万葉歌を解読する

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140910146
  • NDC分類 911.124
  • Cコード C1395

内容説明

万葉歌は、これまで契沖や賀茂真淵らによって、様々な誤読や恣意的な解釈が繰り返され、いまだに訓や解釈が定まらない「未解読歌」も数多い。本書では、原点に立ち返り、漢字遣いの多彩なあり方、表現の類例、表記法など、古代日本語である上代語の言葉に着目し、漢字だけで書かれた原文の正しい訓みによる「解読」を目指し、万葉歌の真の姿をよみがえらせる。碩学による長年の研究成果。

目次

第1章 歌へのアプローチ(表記法を知る;類例を調査する;通説を疑ってみる;先入観を捨て去る;原文に誤字を想定する)
第2章 歌と用字への視点(字義とことばの関係;字義による歌意の象徴;字義のさまざまな活用;字形と字種へのこだわり)
第3章 ことばから歌へ(歌句と歌句の意味関係;単語の用法と歌の構成;助詞の機能と表現意図;疑問詞の用法と表記)
第4章 原文から歌へ(歌の型と語の意味;動詞と助詞の関係;語の呼応と訓み添え)

著者等紹介

佐佐木隆[ササキタカシ]
1950年生まれ。学習院大学大学院博士課程単位取得。東洋大学助教授を経て、現在、学習院大学文学部教授。古代文献学・日本語学専攻。ことばの用法に注目して、『古事記』『日本書記』『万葉集』などの上代の文献を研究している
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なつぼんやさん

2
もう一回読んで自分のものにして、実践したい。2015/09/28

nobito

0
この本を読むと万葉集を仮名文で読むことの残念さが痛感されます。万葉仮名はただの当て字などではなく、万葉仮名だからこそ盛ることのできた情報量に気付かせてくれる良書でした。 また過去の訳や註をくつがえしつつ、歌の新しい意味を提示する作業もわかりやすく、面白いノンフィクションを読んでいるかのようなワクワク感さえありました。 惜しむらくは索引が無い事、次に読むべきおススメの本が紹介されていない事でしょうか。 ちなみに文法に抵抗を感じない人ならば中学程度の文法知識で十分に読めると思います。

月曜は嫌い

0
万葉集の歌で、読み方がわからないもの、従来の読みに問題があるものを、ひとつずつ解読する。その過程はとてもスリリング。研究者が、どんなことに関心を持ち、解明しようとしているか、その一端を垣間見ることができる。名歌として知られながら、訓じ方に議論があることでも有名な「ひんがしの、のにかぎろひの‥‥」という歌の解読もあって、大変興味深い。全体に、専門的な知識がない人にもわかりやすく書かれていて、おすすめできる。2017/03/31

そーだ

0
江戸時代の国学者や、近現代の歌人・文学者の恣意的な読みを排し、日本語学者としての立場から『万葉集』を正確に読解しようと試みた書。2010/05/12

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