出版社内容情報
『嫌な女』の著者によるお仕事エンタメ。傾いた中堅ホテルの再建の秘策とは
内容説明
いまいちやる気のない従業員で売り上げが落ち込む中堅ホテル、フィデルホテル。支配人の永野は改善策を打ち出せないでいた。そこに社長としてやってきた変わり者の社会心理学者・元山が提案したのは、“従業員総選挙”。落選すれば解雇もやむなしという崖っぷちの投票制度だ。ざわつく従業員を後目に、さらに管理職の選挙も!好きな仕事と向いている仕事は違う。適材適所の新体制で、ホテルは復活なるか?元気になれる感動のお仕事小説。
著者等紹介
桂望実[カツラノゾミ]
1965年、東京都生まれ。大妻女子大学卒業。会社員、フリーライターを経て、2003年『死日記』で、「作家への道!」優秀賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
275
すごくライトなお仕事小説。苦境に立つホテルの新社長に就任したのは大学で社会心理学を教えている少し変な人。最初の策は『従業員全員による人員配置総選挙』当然獲得票数が少ない者はクビ!更には管理職さえも選挙で決めることに!いいと思う!業績が落ちてくると大概の組織は『今より一生懸命』を奨励する。私は違う。結果(成果)には必ず原因があり、同じやり方を今より一生懸命やっても結果は今の延長線上にしかならない。だからスタッフの自発的でユニークな変革を支持する。その方が楽しいしね。感動まではないけどサクサク読めます‼️🙇2019/12/22
相田うえお
105
★★★☆☆21008【総選挙ホテル (桂 望実さん)k】落ち目のホテルに新たにやって来た社長は変わり者の学者。従業員自らが選挙で仲間の部署を決め、当選しない者はリストラ!と、自分達で自分達の尻尾切りをする様な改善策を次々と。さて。【雑談】◯例えば面接試験。相手がどの様な答えを望んでいるかを推測して答える。それは何か違う気が。◯裁判を映画の様に趣味で見てる人がいる◯装画で本を買う人はいるが、ページを捲る音の良し悪しで買う人もいるのか◯食事。生命維持に必要な栄養素を摂取するだけなんて寂しい。お喋りもしたい〜。2021/01/24
ツン
78
「県庁の星」も「嫌な女」もおもしろかったけど、これもおもしろかったです。そして、泣けました。いろんな人の隠れた才能が適材適所で開花するんだけど、実は唯一ポジション変わってない支配人さんの能力がすごかった。石ノ森章太郎さんの「HOTEL」の支配人さんレベル。物語もHOTEL級だったと思います。2024/01/06
papako
63
ちょっと気になっていた作品を半額セールで。うーん、桂作品だからと期待しすぎたか。社会心理学者がホテルの社長になり、実験と称して経営改革を行う。選挙で選ぶ適材適所、それぞれの従業員が考え行動する。面白くないわけではないんだけど、盛り上がりもなく淡々とかな。2020/09/19
レモン
48
経営破綻寸前のホテルを立て直すため投資ファンドより派遣された新社長の意向により、全従業員の総選挙が実施されるとなった所から物語が始まる。てっきり総選挙の行方を面白く描くのかと思ったら、そこは潔くばっさりカット。本人のやりたい仕事ではなく、適材適所に割り振られてからの各人の仕事への向き合い方や心境の変化、ホテルの評判等が主に描写されているのが斬新だった。もちろん小説なので綺麗にまとまっているのだが、決して作り話じみておらず説得力がある点が共感できるし好ましい。自分のことは周りの人の方がよく知っているものだ。2022/11/20