NHKブックス
人間の本性を考える〈下〉―心は「空白の石版」か

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  • サイズ B6判/ページ数 301,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140910122
  • NDC分類 140
  • Cコード C1311

内容説明

豊かな人間本性の存在を認めることは、現実問題にも新しい視野をひらく。暴力的な感情は進化のなかで用意されてきたもの。その進化の仕組みの解明は、暴力の根絶に貢献する。男女の心の生得的な違いを理解することで、女性差別や性暴力の撤廃が推進される。子どもの知能や性格の生得性を知ることは、育児の負担を軽減する。日常に真の現実性と元気をもたらす新しい人間観の登場!。

目次

5 五つのホットな問題―人間の本性から見る(政治―イデオロギー的対立の背景;暴力の機嫌―「高貴な野蛮人」神話を超えて;ジェンダー―なぜ男はレイプするのか;子育て―「生まれか育ちか」論争の終焉 ほか)
6 種の声―五つの文学作品から(文学作品から人間本性を理解する;脳という物質の驚異;「結果の平等」が招くディストピア;ポストモダン教義の暗黒面 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

32
【再読】社会科学と人間の本性、暴力と人間の本性、子育て論争と人間の本性、が冷静に語られる。正義を標榜して人間のために良かれと思って行われた様々な政策や論争が、人間の本性を読み誤ったために時には暴力におよび、それが虐殺まで引き起こす事があった。過剰な人命至上論、育て方万能主義は時として恐ろしい結果を生むと知った。本書を読んで人間は考えていたよりも狡猾で残酷だと知ったが、同時に人間は考えていたより愛すべき存在だとも知った。これでもかと暴力について語っているが、未来は暗くないと教えてくれた。 2015/12/07

赤い熊熊

15
心は後天的に作られるから、生まれた時のヒトはみんな同じ、なわけないですよ。ヒトは生存競争を生き延びてきたわけだから、戦ったり奪ったりしてきたし、我々の祖先はネアンデルタール人を滅ぼし、蹂躙してきたこともDNAが示している。利他的な行動でさえ、それが生存に有利だから。その利他性につけ込むフリーライダーも一定の割合で存在する。ヒトの本性に道徳的でない点が多々あるからといって、それが認められるわけがない。ヒトの本性を知った上で、法や政治権力で適切にコントロールしなければいけない。という事が理解できる本。2017/10/22

記憶喪失した男

11
イギリスでも、ハイカルチャーは死んだといわれていて、文学の死が叫ばれていて、ロンドンとパリではいまだにホメロスのギリシャ悲劇をやっているという部分が興味深かった。 2016/07/17

風太郎

6
少し話が拡散してしまい、本来のブランクスレート論の否定から、話がそれてしまっている印象を受けました。ただ各章の話の展開には頷けるものも多いです。今まで脳、また脳が大きく影響する心理というものは、科学のメスが十分に入り切っていなかったこともあり、人文科学的な判断がなされることも多かったと思います。それが最近の科学の発達により、神秘のヴェールが剥がされようとしているのでしょう。ブランクスレート論は受け入れやすい仮説ではありますが、ヴェールが一枚一枚剥がされていくたびにその影響は薄まっていくのかもしれません。2018/10/19

marukuso

3
政治,暴力,ジェンダー,子育て,芸術の5つの問題についてブランクスレート説を検証する。ここまで上中下と正直読んでてわかりにくい議論の立て方で理解しきれていないのでいづれ再読する。2021/12/31

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