NHK出版新書<br> 欧州分裂クライシス―ポピュリズム革命はどこへ向かうか

電子版価格
¥946
  • 電子版あり

NHK出版新書
欧州分裂クライシス―ポピュリズム革命はどこへ向かうか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 288p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140886182
  • NDC分類 302.3
  • Cコード C0236

出版社内容情報

2020年1月31日、EUの崩壊が始まった――

離脱した英国、極右と戦うドイツ、そして極右政党が台頭するフランス、オランダ、イタリア……。2020年、欧州にいま激震が走っている。現体制の破壊を目指すポピュリズム革命という病が、所得格差の拡大やグローバル化、移民・難民の増加、重厚長大産業の衰退、伝統的な政党に対する市民の不満を「栄養」として、各地で増殖しているのだ。それは、かつての共産主義と同等、いやそれ以上の脅威ともいわれる。在独30年のジャーナリストが、欧州情勢の最前線をリポートし、その深層を読み解く。

内容説明

EUから離脱した英国、極右と戦うドイツ―。二〇二〇年、欧州はいま、現体制の破壊を目指すポピュリズム革命によって、かつての共産主義と同等の新たな脅威に直面している。在独三〇年のジャーナリストが、「格差拡大」「アイデンティティの喪失」という二つの不安軸から、欧州情勢の最前線をリポートし、その深層を読み解く。

目次

第1部 英国―ポピュリズム革命による欧州最初の犠牲者(二人のポピュリスト―ファラージとジョンソン;国民投票という選択は正しかったか?―キャメロンの失策;敗者たちの復讐―大都市と地方、富裕層と低所得層を引き裂く亀裂)
第2部 ドイツ―アイデンティティ喪失をめぐる激論(右翼政党躍進の衝撃―AfDとは何者か;転機となった難民危機;東西を分断する「心の壁」)
ポピュリズム革命はどこへ向かうのか

著者等紹介

熊谷徹[クマガイトオル]
1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン支局勤務中に、ベルリンの壁崩壊、米ソ首脳会談などを取材。90年からはフリージャーナリストとしてドイツ・ミュンヘン市に在住。過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。著書『ドイツは過去とどう向き合ってきたか』で2007年度平和・協同ジャーナリズム奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

2
こういう本の面白いなあって思うのは、その拒絶、否定していることと似たようなやり方をしているということなんですよね。まあ極端と極端の対立が増える世の中になるのも仕方あるまい。世界は安全圏にいる人たちの理想論通りにはいかないということ、その理想が結果的に反動を生んでいるということ。なんとも。2020/06/14

achilles_tortoise

2
30年間ドイツから欧州を見ている著者による欧州状況解説。欧州在住日本人という立場からリベラルな視点となっているが、共感を持つ日本人が多いだろう。SNSでの過去の言動沈静化を図ったジョンソンのバス模型発言、旧東独と西ドイツの生活水準格差などに起因するナショナリズム・ナチズムへの見方やAfDの支持率、メルケル首相による2015年の難民受け入れのインパクト、ドイツにおけるナチスの「過去の遺産」への向き合い方、緑の党の環境分野以外での主張など、欧州在住ならではの新しい視点に触れることができる良書。2020/06/02

くるた

1
最近ヨーロッパが右傾化してるらしい。本書ではイギリスとドイツの例を挙げてますが、どちらも似たような流れなんですね。国内の格差と移民の流入が引き金に。昔ながらの保守と違う手法を使って、極右たちが国民を惹きつけてる。でもやっぱり、恐怖心を煽るやり口やフェイクニュース・歴史改竄なんかは、国民がそこで引いちゃう感覚を持ってないと。メルケルの移民政策はもう少し上手くやれなかったんだろうかと残念です。メルケル好きなので。ドイツのナチ嫌悪って、絶対的なものじゃないんだ。あれだけやっても足りないのか。2024/02/11

お抹茶

1
ブレグジットの影響やドイツにおけるAfDの伸長から見えるドイツ社会を手軽なサイズで読める本。EUの改革は口約束のまま欧州法が生活の至るところに浸透していることに対して庶民は不信感を抱いていた。ブレグジットで,EUの資金の規模は大きく減り,補助金やインフラ整備資金を受け取っている東欧・南欧諸国は痛手になる。市場原理を重視し財政出動に否定的なEU北部諸国の発言力が弱まる。ドイツでは,極右による凶悪な殺人事件が連続発生し,政治家がナチスを肯定する発言をするなど,社会が変化している。2020/06/11

ぴょぴょん

1
ブレグジットについて調べる過程で、本書の前半のみ読了。ジャーナリストらしい文体で、イメージ豊かにやさしく語ってくれる。ブレグジットに至るまでのイギリス社会の変化について、少し理解が深まった。2020/12/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/15311441
  • ご注意事項

最近チェックした商品