出版社内容情報
「人の流れ」がわかれば、世界史がわかる! 文明の興亡は人類・民族の大移動がきっかけだった? いま、世界中で議論の的となってい
内容説明
「人の流れ」がわかれば、世界史が驚くほどよくわかる!文明の興亡は、人類・民族の大移動がきっかけだった?大航海時代・産業革命期を制した真の勝者は?ヨーロッパをはじめとする先進国が、難民を排除できないのはなぜ?いま、世界中で議論の的となっている「移民」をキーワードに、経済史研究の俊英が世界史をすっきり明快に読み解く一冊。
目次
第1部 人類・民族の「大移動」とは何だったか(文明はどのように伝播したか;太平洋を渡った人々の謎;誰がヨーロッパ文明をつくったか ほか)
第2部 世界の「交易」はいかに結びついたか(ヨーロッパを包囲したムスリム商人;商業の民として活躍したヴァイキング;ポルトガルは大航海時代の敗者ではない ほか)
第3部 ヨーロッパ繁栄は「移民」がもたらしたか(アルメニア人から見た産業革命;大英帝国に拡散したスコットランド人;ヨーロッパ人はなぜ植民地に渡ったか ほか)
著者等紹介
玉木俊明[タマキトシアキ]
1964年、大阪市生まれ。京都産業大学経済学部教授。同志社大学大学院文学研究科(文化史学専攻)博士後期課程単位取得退学。専門は近代ヨーロッパ経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
40
いわゆる移民についても少々扱っているが、大方は民族や人の大移動という観点で各地域史に横串を刺したもの。比較的有名な匈奴などからアルメニア人など盲点になりがちなものまで幅広いテーマを章毎に取り上げている。先史時代の同行や後の征服者が前の征服者の拠点を利用しているという簡単に思いつきそうでなかなか発想できない考え方が示されていて興味深い。2021/11/24
鯖
25
これも概説書。著者の他の本でも触れられているアルメニア人はアジアからヨーロッパへ移動するときに必ず通らねばならない要衝に世界で初めてキリスト教を国教とした王国を作った人たち。インド交易に深く食い込んでいたことからオスマン帝国にインド綿の捺染工場を25も持っており、ヨーロッパ中に工場をもっていた。産業革命期、グーテンベルクの活版印刷を捺染に応用したことにより、ヨーロッパは脱インド化、脱アルメニア化に成功したというあたりが面白かった。もうちょいがっつり読みたかったなあ…。2024/01/25
ようはん
22
古くからの海外交流で現在に至るまでの文明が発達してきたのは事実であるけど、ペストのような疫病蔓延や奴隷貿易など負の側面も大きい。今の難民問題も元を正せば近代ヨーロッパの帝国主義の影響から来ている。2025/06/21
しんい
22
「移民」というキーワードで手に取ったが、かなり多くの人の移動形態が「移民」としてとらえられていて、ちょっと理解しにくかった。新書なのでどうしてもひとつひとつの項目は薄くなってしまうし。あたらしかったのは、「奴隷貿易」でアフリカ大陸からどれだけの人がどこへ運ばれたかの記録がみられたこと。人の数としては、米国へよりも、西インド諸島やブラジルに送られた人のほうが多かったという。人の売買が「ビジネス」であったので人数が正確に残っているのだと思う。2023/09/19
かふ
22
世界史を定住民の国としての歴史ではなく、遊牧民や交易する人々(商人)から見た世界史は、ユーラシアという大陸の中でうごめく多様な民族の交流があり、その果てに、西の果てだったらイギリスが、東の果てには日本があり、その道をつないでいる交易の道がユーラシアにはあった(国境を超える道)。例えば四大文明も定住者だけで成り立つものではなく、メソポタミア文明とインダス文明をとりむすぶエラム人の存在がある。その彼らがエジプトまで王の宝石を運んでいたという。2021/06/10
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