出版社内容情報
愛は、誰もが生まれながらに持っているものではなく、学ぶべきものだ――。アドラーの「勇気」からフロムの「愛」へ。世界的ベストセ
内容説明
「恋に落ちる」という最初の体験と「愛している」という持続的な状態を混同してはいけない。愛は、誰もが生まれながらに持っているものではなく、学ぶべきものだ―。アドラーの「勇気」からフロムの「愛」へ。世界的ベストセラー『愛するということ』の翻訳者が、フロム心理学の奥義を極める。
目次
第1章 愛は技術である
第2章 フロムって、いったい誰?
第3章 孤独の克服
第4章 愛はどこからきたのか
第5章 現代社会における愛
第6章 愛の習練
著者等紹介
鈴木晶[スズキショウ]
1952年、東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。法政大学名誉教授。専門は文学、精神分析学、舞踊学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
53
絶版になっているようだが、それには必然性があるということ。編集者が著者に色々と言えなかったのだろうか、と不思議なくらいに間違った認識が書かれている。フロムに対してではない。それ以前の常識的な考え方として、4、50年前なら許容できるかも知れないが残念なことに出版されたのは5年前だ。フロムやアドラーに興味を持つひとは、岸見一郎といい、特定の傾向性があるのだろうか。2024/12/24
kazi
19
フロムの「愛するということ」を読みはじめて、難解な言い回しに跳ね返されて挫折したので、優しそうなこちらの解説書から読んでみました。全くフロムさんのおっしゃる通りだと思います。現代人は愛を誤解してる。愛されるより覚悟を持って愛することが大切。2024/09/21
Artemis
17
誰もが承認欲求を持っている。 そして、愛する能力はあるが、相手がいないという誤解。うまくいかなくなると自分にふさわしくなかったと愛することの努力をしなくなる。 そしてどこかにふさわしい人がいるはずだと次を探そうとする。 そして堂々巡り。 人が人を愛すのは、孤立と孤独に対する不安があるから。不安の解消のためだけに表面的な愛に見える者に逃避することなく、生産的に人を愛すことで初めて人は豊かに幸せになれる。そのための自分の準備を怠らないこと。2020/09/17
テツ
16
勘違いしがちだけれど愛情は商取引ではないということ。自分の愛に対して見返りなどなくて当然であり、それを踏まえた上でそれでも愛するということは尊い。「愛されるよりも愛することの方が大切だ」というよく耳にする言葉を論理的に説明してくれていてとてもわかりやすい。見返りを求めず、対象に依存することなく、愛する。能動的に、自らの意思で、全てを擲ち分け与え、愛する。そこに幸せが見出せる、そこにしか幸せは見出せないということは、ある程度年齢を重ねた今になってようやく実感する。2022/08/04
大先生
13
「愛される」ことより「愛する」ことが重要だという本です。フロムは【資本主義の原理は「交換」がベースになっており見返りを求めるが、愛の原理は見返りを求めない。自分が愛しても、愛されないかもしれない。だから、愛するには勇気が必要だが、それでも愛するべき。一人を愛することから始めて、それを世界にまで広げよう。人類愛で世界を包み込もう】と主張していたそうで、なんとも心温かい人物のように感じました。もし、「愛する」ことに臆病になっている方がいたら、本書を読んでみるといいかもしれません。2022/08/03