出版社内容情報
廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった――
最愛の姉の死、厳格な父との対立、東京音楽学校での厳しい競争、孤高の天才少女との出会い、旋律を奏でることをためらう右手の秘密。
若き音楽家・瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられながら、数々の試練を乗り越え、作曲家としての才能を開花させていく。そして、新しい時代の音楽を夢みてドイツ・ライプツィヒへと旅立つが……。「西洋音楽不毛の地」に種を植えるべく短い命を燃やした一人の天才の軌跡を描き出す。
時代小説家最注目の俊英が、ついに新境地・明治へ!
第66回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高等学校の部)
内容説明
廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった―。最愛の姉の死を乗り越え、16歳の若さで東京音楽学校に入学した瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられ、音楽家としての才能を開花させるが…。明治日本に西洋音楽を響かせることを夢見た早世の天才の軌跡を描き出す。第66回青少年読書感想文全国コンクール課題図書。
著者等紹介
谷津矢車[ヤツヤグルマ]
1986年東京都生まれ。駒澤大学文学部歴史学科考古学専攻卒業。2012年「蒲生の記」で第一八回歴史群像大賞優秀賞受賞。13年『洛中洛外画狂伝 狩野永徳』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Book & Travel
29
著者の作品は初読みだが、いい小説を書く作家さんだなあという印象を持った。明治の西洋音楽黎明期の音楽家・瀧廉太郎の生涯を描いた物語。東京音楽学校(現・東京藝大)に最年少で入学し、ヴァイオリニスト幸田幸らと切磋琢磨しながら才能を伸ばしていく廉太郎がとても魅力的に描かれる。ピアニストとして高く評価されていたのは知らなかったし、幸やその姉の幸田延、兄の露伴との関係も、小説ではあるが興味深かった。それだけに、ドイツ留学を果たしこれからという時に結核に罹り、23年の短い生涯を終えねばならなかったのはあまりに切ない。→2025/12/06
ヨシ
10
音楽の時間に習った滝廉太郎の伝記。天才で恵まれた人っているんだ。『荒城の月』は知っていたが、『お正月』も廉太郎作とは驚いた。彼が幼児音楽の一ジャンルを作り上げたことに感動した。2023/12/02
白いワンコ
9
「もういくつ寝るとお正月」あと二つ寝るとお正月の日に文庫版を読了。瀧廉太郎のいた意味は、近しい人たちが音楽を作り上げ、後進が多くの日本人が、現代へとつなげました2023/12/30
ユウ
4
名前は知っていましたがどんな人だったのかわからなかったので、この本を読んでいろいろと知ることができた。時代背景も知ることができた。2023/12/11
ゆっこ
3
初作家さん。新しい音楽の可能性を、探る日々を継続する姿が、印象は深い小説。音楽学校の恩師や、友人の絆が素敵。素敵な本に出会えた。今月は、初作家さん多き。嬉しい。2025/09/15




