出版社内容情報
極上のディテールを堪能する!
1000件を超える国宝の中から名宝中の名宝を選定して美のディテールに迫る8K番組の出版化。豊富な高精細画像で国宝の精緻な美をていねいし再現し、胸前にひろげるページの中で、受け継がれてきた至宝のディテールを鑑賞する新シリーズ。第1回配本は『法隆寺』と『洛中洛外図?風』(2巻同時刊行)。『洛中洛外図?風』は、若き狩野永徳が描き、上杉家代々の家宝として伝えられてきた「洛中洛外図?風・上杉本」を取り上げる。クローズアップによって浮かび上がるのは、戦国時代の祇園祭の情景、戦国時代の人たちのさまざまな喜怒哀楽の場面。わずか数センチの画中の人たちが、本書の中で、動き出す。
内容説明
美のディテールに迫る8K番組の出版化。狩野永徳の「洛中洛外図屏風・上杉本」を紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@猫と共に生きる
60
博物館では絶対に見る事が出来ない、いや、肉眼では無理かもしれない細部をアップにした屏風。この時代に何故か髪の毛が赤い人がいる!!!というのも絶対に自分では見つけられないと思える。サラっとした一行解説に知識がギュッと詰まっています。大きくて重い本です。2023/06/24
yyrn
23
京の栄華を全国に伝えた「洛中洛外図屏風」は長年、時の為政者により作られてきたようだが、上杉本は16世紀中期、足利義輝の依頼で狩野永徳が制作し、完成前に義輝が亡くなった後、織田信長が手に入れて上杉謙信に贈ったとされているもので、それはまあ見事。2485人が描かれていると言われ、本書では特徴的な場面を8K画像で鮮やかに拡大し見せてくれるので、一人ひとりの表情や当時の風俗が衣装や所作で丁寧に描かれ、寺院や町家の屋根も瓦や檜皮、板葺きと忠実に描き分けられるなど、それはそれは本当に見事!ぜひ一度手に取ってみてほしい2022/03/29
クラムボン
15
NHKの番組「国宝へようこそ・上杉本 洛中洛外図屏風」を本にしたもの。BS8Kなので相当の高画質…この本でも超アップ画像が楽しめる。六曲一双の屏風は13代将軍足利義輝が上杉謙信に贈るために狩野永徳に描かせたそうだ。左隻は下京の夏…祇園会の山鉾巡行を中心に、鴨川での水遊びや鵜飼の様子、復興した庶民の生活が描かれる。右隻は上京の年末年始…上杉氏の室町御所への挨拶の行列をメインに、少年時代の義輝の闘鶏見物風景、大晦日から正月にかけての風物詩が描かれる。細部まで描き込まれているので見飽きることがない。2022/07/23
おおた
14
山口晃の展覧会でアーティゾン美術館の洛中洛外図屏風に触れることができた。当然ガラス張りの中で細かいところまで見えないので、本でじっくり見ようと手に取る。本書は上杉家伝来の洛中洛外図屏風であり、美術館で見た屏風ではないことを知る。洛中洛外図屏風っていっぱいあるんだ……。Google Mapで通りや五条橋の場所を確かめながら、このあたりを山鉾が練り歩いていたのかと500年以上前の京都に思いを馳せつつ、若き日の狩野永徳の筆と知り再度驚く。2023/10/29
Yasuko
3
小説に何度も出てきた狩野永徳の洛中洛外図、前から見たいと思っていたが、この本で家にいながら、説明文を読みつつ詳細な絵を見ることができて素晴らしい。京の風物詩を盛り込み、2、3センチにも満たない人物を2400人も描き込んである。このために永徳は紙を持ってデッサンするため京の街を駆けずり回ったとのこと。上杉博物館にある実物もいつか見てみたい。2023/03/06