出版社内容情報
20世紀初頭、岡倉天心は物質主義的文化が支配的だった欧米世界に対して「茶の本」を英語で書き、東洋の精神文化の奥義を説きつくした。自然との共生を説いた先見の書の真価が今明らかに。
内容説明
近代化・西欧化路線が主流であった明治期の日本。そのただ中にアメリカで出版された『茶の本』は、東洋の伝統的な精神文化の奥義を説き、自然との共生を謳う、未来を見据えた先見の書であった。小さきものの中に偉大なものが宿り、日常の中に深遠な世界がある―。岡倉天心没後一〇〇年が経過し、近代化の限界に直面するいま、私たちの進むべき道について考える。
目次
第1章 茶碗に満ちる人の心(茶を通して東洋文明の意義を語る;交響曲のように共鳴する語り ほか)
第2章 源泉としての老荘と禅(茶の好みにあらわれる時代精神;茶道は日本で完成された ほか)
第3章 琴には琴の歌を歌わせよ(茶室にあらわれる禅の思想;茶室の装飾原理 ほか)
第4章 花、そして茶人の死(花は人生の友;自然の立場から人間を問う ほか)
ブックス特別章『茶の本』をめぐる五つの日本文化論(『武士道』―サムライと騎士;『善の研究』―純粋経験から絶対無へ ほか)
著者等紹介
大久保喬樹[オオクボタカキ]
1946年生まれ、横浜に育つ。東京大学教養学部教養学科フランス科、同大学院比較文学比較文化修士課程を経て、フランス高等師範学校およびパリ第三大学に学ぶ。現在、東京女子大学日本文学専攻教授。『岡倉天心 驚異的な光に満ちた空虚』(小沢書店)で第1回和辻哲郎文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
ピンガペンギン
肉尊
takakomama
かずぼん
-
- 和書
- 高分子材料化学