内容説明
人口600、過疎に悩む南信州の売木村で一人のアスリートが立ち上がった。村をPRしながら走り、ウルトラマラソンで世界一を目指す―。村民の期待と自らの夢を背負って一途に走り続ける男を追う、感動のノンフィクション。
目次
第1章 村の再生のために走る
第2章 ウルトラランナーの孤独
第3章 白山白山郷一〇〇キロマラソン
第4章 走る村の挑戦
第5章 なぜ、あなたは走るのか?
第6章 二四時間耐久マラソン
著者等紹介
大川卓弥[オオカワタクヤ]
1971年、富山県生まれ。神戸市外国語大学国際関係学科卒業後、国際大学国際関係学研究科修士課程修了。98年、テレビ番組制作会社に入社。以後、映像ディレクターとしてドキュメンタリー・報道番組の制作に携わる。これまで手掛けた番組に、「NNNドキュメントがん難民」(日本テレビ)、「ザ・ノンフィクション沖縄・引き裂かれた兄弟」(フジテレビ)、「応援ドキュメント明日はどっちだ」(NHK)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
47
フルマラソン以上の距離を走るウルトラマラソン。重見さんの月間走行距離は、実に千キロに及ぶ。ウルトラマラソン一回につき、膝に与える負担は十万回。三十路を越えた彼の身体の中では、崩落音が止みません。小さな村の広告塔としてレースに勝たなければ意味がないと、酷な鍛錬を自ら課し走り続ける。チャイルドプアを経験し、十代半ばで勘当され否応なしに一人立ちした。学歴に泣き体調不良で泣きことごとくチャンスを逃す。走りたいのに走れない。重見さんが辿り着いた新天地とはどこなのか。走ることで己と向き合ってきた半生を追います。2015/06/20
MOKIZAN
23
売木村のある奥三河から天竜にかけては、個人的にとても好きなエリアです。誠に失礼ながら、大型車との行き違いにも所どころで難儀しそうな3ケタ国道や県道で、小さな峠や町村、県境を越えて走っても走っても、これといった見所に行き当たりません。人車一体となったような錯覚を持って、運転できるようなエリアです。そんな売木村の体育系観光大使たる活動、精進を続けらている重見氏の紹介本。今日も何処で駆け巡っておられるようです。ここ数年ご無沙汰している同地、久々に(車で)走り巡りたくなりました。2017/04/05
ヨータン
18
重見さんのことは、TVで見て知っていて、その時はここまで走ることが好きな人がいたんだ〜と半ばあきれ気味だったのですが、本を読んで彼の辛すぎる生い立ちや人しれず行なってきた壮絶な練習、売木村への熱い思いを知り、尊敬に変わりました。この本、読んでよかったです。2016/11/04
さや
15
走ることは不思議な魅力がある。どうして走るのか?に対する一つの答えはあるだろうか。重見さんの村のために走る、感謝の走りは胸を打つものがある。辛いことの方が多いだろう走り、それでも走ってみるのもいいもんだよ。オリンピックでの福士さんのインタビューを思い出した。2016/08/17
まさげ
12
多くの挫折を経験しても、走ることを続ける主人公。走ることにより出会えた売木村のと縁。生き方を考えさせられた作品でした。2025/08/08