出版社内容情報
杉原千畝の「命のビザ」で日本に逃れたユダヤ難民6000人。許された滞在期間はわずか10日。ビザが延長できない場合、待っているのはホロコーストの地獄でした。そんな彼らをどのように安全な地へと導いたか? 歴史に埋もれた真実が明らかになります。
内容説明
命を賭して彼らをナチスの手から救ったもうひとりの日本人がいた。杉原千畝の「命のビザ」を手に日本へ逃げのびたユダヤ難民は6000人。滞在期限はわずか10日間だった。
目次
少年期、青春期の小辻
ナチスによるユダヤ人迫害
奇想天外な『河豚計画』
満州へ
小辻と松岡洋右
杉原千畝の『命のビザ』
日本にやってきたユダヤ難民
ビザ延長のための秘策
迫るナチスの影
神戸に残ったユダヤ人〔ほか〕
著者等紹介
山田純大[ヤマダジュンダイ]
1973年生まれ。東京都出身。俳優。ハワイの中学・高校を経て、米ペパーダイン大学国際関係学部卒。1997年、NHK連続テレビ小説「あぐり」でテレビデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
桔梗の積ん読?本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころりんぱ
53
杉原千畝が発行した命のビザは超有名ですが、日本通過を許可したビザは有効期限わずか10日。命からがら日本に逃れて来たユダヤ難民たちを日本で世話し、守った人がこの小辻節三でした。ドイツとは同盟関係にあり、アメリカとは戦争を避けたい当時の日本…戦争一色に染まりつつあるで、ユダヤ難民のために彼が東奔西走する姿には宗教や人種を超えた愛情や矜恃が溢れていて、感動しました。困難な事でも、己の信じる事を為した小辻氏…彼が助けた命がまた命を生み、世界中で命を継承している事実を知ることが出来てよかったです。2014/09/24
それいゆ
42
杉良太郎の息子さんが書いた本という紹介などまったく必要ないくらいの出来栄えです。杉原千畝の「命のビザ」の話はよく知られていますが、杉原は日本に数日間滞在できるビザを発給しただけで、その後希望する国へ無事到着するために尽力したのが小辻節三だったということを初めて知りました。ユダヤ人たちの風習や小辻がイスラエルに行きユダヤ教に改宗したという話も、自分のまったく知り得ない世界でした。私には、キリスト教の三大巡礼地の一つであるエルサレムを訪れたいという夢があります。とても参考になりました。 2013/07/14
ふう
41
少年Hの映画を観たとき、短い時間でしたが、神戸に辿り着いたユダヤ人たちが出てきました。杉原千畝氏のことは知っていましたが、その後のユダヤ人たちのことや小辻節三氏については全くは知らなかったので、あの時代にこんな大切な仕事をした人がいたのだと驚き、改めて人間の素晴らしさを感じました。俳優業をしながら自分の知りたいことにについて丁寧に取材を重ね、一人の人間の歴史を深く描き出した著者も素晴らしいですね。 時代や情勢に流されず人としてどう生きるべきか…、とても難しい課題だと思います。2013/10/10
Nobuko Hashimoto
36
小辻節三は、杉原千畝の発行した査証をもって日本にたどり着いたユダヤ難民の滞在日数を延長し、第三国へ出発できるよう奔走した学者。今でも多くのユダヤ人に恩人として感謝されている。本書は、小辻の娘や関係者を訪ね、小辻の生涯をまとめた一冊。著者は俳優さんだとか。細かい史実(ユダヤ難民の数など)に関しては、最近の研究で従来の説との相違が判明してきたように、今後、精緻化されていくだろうが、関係者が生存している間に直接、証言を採り、まとまった形で世に紹介した本書の功績は大きいと思う。小辻の自伝も読んでみようと思う。2020/01/23
Qちゃん
34
またいつの日か再読したい一冊。 2018/02/01