NHKさかのぼり日本史 外交篇〈2〉昭和“外交敗戦”の教訓―なぜ、日米開戦は避けられなかったのか

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  • サイズ B6判/ページ数 185p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140815625
  • NDC分類 210.18
  • Cコード C0321

内容説明

情勢判断の甘さ、世論への迎合、交渉の早い見切り―“外交敗戦”の積み重ねが、戦前日本の命運を決した。軍部の独断専行だけでは解き明かせない、敗戦への道。

目次

第1章 挫折した日米交渉―日米諒解案の破綻によって交渉機会を逸した日本は真珠湾攻撃に向かう。なぜ、アメリカとの戦争回避に失敗したのか
第2章 日中戦争熱狂の代償―国民政府を対手とせず声明により中国との和平の道を断った日本。なぜ、慎重となるべき政府が強硬論を貫いたのか
第3章 国際連盟脱退宣伝外交の敗北―国際連盟脱退という極端な選択、その背景には中国の巧みな宣伝外交があった。なぜ、日本は国際世論を敵に回してしまったか
第4章 崩れゆく国際協調―中国の再統一への対応に際し、満蒙権益にこだわる日本は米英と袂を分かつ。軍が危機感を深めた末に、満州事変が勃発する

著者等紹介

服部龍二[ハットリリュウジ]
1968年東京都生まれ。中央大学総合政策学部教授。京都大学法学部卒業。神戸大学大学院法学研究科単位取得退学。政治学博士。専攻は日本外交史・東アジア国際政治史。主な著書に『東アジア国際環境の変動と日本外交1918‐1931』(有斐閣、吉田茂賞)、『日中国交正常化』(中公新書、大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞特別賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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かんがく

9
各章、日米交渉・近衛声明・国連脱退・爆殺事件という昭和日本の外交の失敗を簡潔に整理。NHKの番組がもとになっているだけあってわかりやすく、復習に最適だった。何度見ても、すべての選択を間違っているなとしか思えない。2020/11/09

4
「戦争の始めやすさと終わりにくさのギャップ」という表現に嘆息する。終戦のタイミングとして著者は44年6月のサイパン陥落をあげる。日本の主要都市がB29の爆撃可能範囲内に入り、この後50万人が亡くなったから。…ミッドウェーでいいです、私。戦争に関して、国家に全てを責任転嫁してしまうことの楽さにも触れていて、そのとおりだよなあと思う。例えば満蒙開拓団で、送り出す側の村長だったら、応募しようとする者の妻だったら。関東大震災のときの朝鮮人虐殺の例のように、いざとなれば簡単に私は振り切ってしまうと思うから。2017/07/22

ぼのまり

2
太平洋戦争直前から中国再統一までさかのぼります。もとがテレビ番組なので、平易で理解しやすいように思う。2013/04/06

decchan

2
外交ってとても大事だと改めて思う。クラウゼヴィッツが「戦争論」で「戦争は政治に従属するもの」と言っているが、外交は政治の一部ということになり、外交の失敗が戦争につながるということは今も昔も変わらないのだろう。 ただ、この本で最も印象に残ったのは、「世論を無視した外交は成立しないが、世論に傾きすぎても不幸な結果になることがある」という趣旨のくだりだ。 日中戦争、日米開戦にまつわる指導層への批判は多々あるが、メディアに煽動されたかどうかは別の議論として、世論が満州事変以降、好戦的になったことも無関係ではな2012/11/20

Meistersinger

1
太平洋戦争への途を遡って考える本。①日米諒解案(1941年:独ソ・三国同盟に執着する松岡、三国同盟の解消のみを求めた諒解案は潰れてしまう)、②日中戦争の激化(1938年:ポピュリズムで中国戦争にのめり込んでしまう)、③国際連盟脱退(1933年:日本批判は抑えられていたリットン報告書を受け入れず、田中上奏文など国際世論対策も失敗)、④国際協調の喪失(1928年:満蒙権益に拘り、米英との協調を失っていく)2013/01/28

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