出版社内容情報
ブラッド・ピット主演・プロデュースで映画化!
20世紀初頭に活躍し、インディ・ジョーンズにも登場する伝説の探検家フォーセット。かつてエル・ドラードと呼ばれた幻の都市Zの存在を確信した彼は、アマゾンの奥地へと消えたまま二度と戻ることはなかった。果たしてフォーセットの命は? そしてZは存在するのか? 世界を熱狂させた謎に今ふたたび挑む!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Panzer Leader
59
傑作ドキュメント「花殺し月の殺人」の作者のデビュー作。アマゾンに存在すると信じられていた幻の都市エルドラド=Z捜索の探検に出かけたまま行方不明となったイギリスの探検家フォーセット大佐(インディー・ジョーンズのモデル)やその時代を描きつつ、膨大なる資料・文献をあたりながら大佐の足跡を追う作者の旅が交互に語られる。その面白さは「猿神のロスト・シティ―」×「死に山」級と言っていいほど。何の成果も挙げられず終わるのかと思われてた著者の旅の最後に判明する驚愕の事実。いやー、読み応え抜群でした。2020/07/22
ntahima
36
オカルトの老舗『ムー』に出てきそうなキワモノ的タイトルではあるがC・ドイルの『失われた世界』をこよなく愛する者としては思わずジャケ買い。アマゾン奥深く眠る謎の古代文明を追い求め密林に消えた伝説の探検家と、現代の世にテクノロジーの恩恵を受けながらその足跡を追う筆者の姿が交互に描かれる。幻の古代都市は謎のままというお決まりの結末の筈がアッと驚くどんでん返しが待っている。但、筆者がこの事実を知らずに旅立ったのかは定かではない。ロマンはあっても虫地獄の魔境には行きたくない。それにしてもアマゾンの変貌には唖然呆然。2012/04/10
taku
20
角幡唯介さんがブログで、自分の手法とかぶると書いていた内容に納得。過去と現在の探検をリンクさせ、単に記録を綴るだけでなく物語を進行させていく。技術も装備も今とは比較にならない20世紀初頭。未知への探求心に取りつかれた探検家のロマンと生き方。密林に消えた男の足跡と過酷なサバイバル。痛々しいほどリアルなアマゾンと、繋がった物語の結末に冒険心が満たされた。エル・ドラードは実在していたよ。未知への欲求を持つ人の心の奥底にはあるのさ。2019/12/01
ntahima
20
【県図32】再読。以熱治熱・暑気払い読書第2弾。『インディ・ジョーンズ』のモデルともいわれる探検家フォーセット大佐がその命を捧げた失われた伝説の都市Z。80年前にアマゾンに消えた大佐の足跡を追う著者の旅と、フォーセット大佐の伝記的軌跡が交互に語られる。先日読み終わった『猿神のロスト・シティ―』を遥かに上回るゾロゾロ虫々地獄…。もし仮に、私が超人的肉体を持って生まれ変わったら、八千米峰に挑戦してみたいが、こんなジャングル行は遠慮したい。但し、フォーセットが生きた時代の密林はもう存在しない。ロスト・アマゾン!2017/08/21
maja
18
当時の状況の異様さが強く印象に残った「花殺し月の殺人」と同じ作者と知って読む。1925年、アマゾンで行方不明になったヴィクトリア朝時代最後の探検家パーシー・ハリソン・フォーセットの軌跡を、記者である作者の体験と共に、資料を角度広く紐解きながら丹念に追っていくので探検家の特異な行動力が生々しく浮かびあがってくる。目撃している気分となってずしんとくる読み応えだ。フォーセットが着想源になったというドイルの「失われた世界」。時代を感じさせる他の探検家の記録など、生物学者ジェイムス・マリーとか気になる。2020/08/26