内容説明
一八九八年から始まった東京藝術大学卒業制作の自画像コレクション。「自分」と向き合い、時代と格闘した若き芸術家たちの自画像は、私たちに何を語りかけるのか。類例のない稀少なコレクションと画学生たちの秘められた人生に光を当て、近現代日本人のこころの在り様を浮かび上げる。
目次
序 自画像誕生前史―東京美術学校と黒田清輝
1 最初の二枚
2 一九〇四年卒業組とその後輩たち
3 一九一〇年卒業組
4 明治から大正へ
5 戦時下の画学生群像
6 戦後、女性たちの風が吹く
7 自画像解体が生んだ逆説
8 二十一世紀、アートのリアリティはどこにあるのか
著者等紹介
河邑厚徳[カワムラアツノリ]
1948年生まれ。1971年、東京大学法学部卒業後、NHK入局。主に教養番組で数々のドキュメンタリーを手がける。現在、NHKエデュケーショナル・エグゼクティブ・プロデューサー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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me
1
作者一人ひとりの名前で画像検索しながら、その人の自画像と他の作品とを見比べつつ読んだ。1955年から約20年間に渡る自画像買い上げ中断のために、その間の藝大生の自画像に対する視点の変遷をかいま見ることできないのが残念。筆者(あるいはNHK)のチョイスによるところもあるであろうが、買い上げが再開されてから、急に破天荒な作品が多くでてくる。2017/02/21
フーコー
0
私の学校時代の美術の教科書にも載っているような代表的日本人画家から、夭折して藝大の自画像しか公的に作品の残っていない若い画家まで、明治から平成までの、世相にもみくちゃになりながら苦悩してきた若者群像を描いていると思います。肺結核で亡くなる卒業生の多さに驚きました。佐伯祐三のイケメンぶり、熊谷守一の泰然自若、青木繁の繊細にして高慢な表情、25歳前後の若者から漂う自尊心と不安が1枚の自画像にこめられています。表紙の線画は「ケンチャンマン」。自画像として教授陣に認めてもらえたそうです。2011/08/08
イータン
0
東京藝術大学の卒業制作である自画像には、以前から非常に興味があった。著者は、美術史の専門家ではなく、テレビ屋さん。文章は、丁寧でわかりやすく、とっつき易い。ただテレビ屋さん独特の「これは追いかければ、こういう結末が待っているんじゃないか?」というようなあらかじめ用意した結末へ向かっていくような調査の仕方が、端々に感じられるのと、絵描きの言説に対する無批判な共感に物足りなさを感じた。2010/03/08
sai
0
7.17晴々-図書館にて もっともっともっとうまくならなくちゃ2008/07/17
なかりょう
0
日本の近代・現代絵画を俯瞰できる内容でした。有名な方、そうでない方もそれぞれドラマのある人生を送られてきたのだなと。藝大所蔵の自画像は難しいですが、コロナが明けたら各地の美術館の絵画を見て回りたいと思いました。2021/05/30




