内容説明
ウルバニがウイルスと遭遇した3月3日から、タイ・バンコクで死亡するまでの27日間に何があったのか取材。ジュネーブ、マニラ、アトランタ、世界各地でウルバニのメールを受け取った関係者にインタビューを試みた。また、当時現場に居合わせた医師や看護師、ウルバニと激しく対立したベトナム保健省の幹部、ウルバニを支え支援したWHOの職員、そして遺族から証言を得た。インタビューに応じてくれた方々は、世界7か国47人にのぼった。本書はその記録である。
目次
第1章 謎の肺炎患者との遭遇
第2章 感染拡大の危機
第3章 国家の壁
第4章 未知のウイルスの恐怖
第5章 ベトナム政府との交渉
第6章 世界への警告、グローバルアラート
第7章 ウルバニの死
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tan_keikei
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2003年のSARSアウトブレイク時、多くの感染者を出したベトナムの病院で治療にあたりながらWHOに警告を発し早期収束の一助となった医師カウロ・ウルバニの最後の27日間のドキュメンタリーを書籍にしたもの。感染症予防の資材が乏しいなか、患者の治療をし、結果ウルバニ自身もSARSに倒れて命を落とす。発病に気づいたウルバニに遠回しに航空機に乗ってもいいか、と問われた医師が、感染症専門家としてそれを止めたあと、人間として正しい答えはない、と答えウルバニの意志に任せたエピソードが心に残った。2013/05/11