内容説明
グローバル化のうねりを直視し、歴史・風土・社会のなかで生長した地球農業の多様性を守り、共存できる、日本農業の未来の姿とは。食料安全保障、国土・環境の保全、地域社会の維持など、日本農業がグローバル化を生き残るための「貿易以外の関心事項Non Trade Concern」=「農業の多面的機能」の主張と論理とは。日本農業の未来を支える、生産者・消費者の実践=ファーマーズ・マーケット、産消連携、環境保全型農業への取り組みの、今。
目次
グローバリズムを生きる日本農業
1 WTO交渉と日本農業(WTO農業交渉は始まっている;キーワード「貿易以外の関心事項」と「農業の多面的機能」;ウルグアイ・ラウンド農業合意(WTO農業協定)
ウルグアイ・ラウンド合意を受けた日本農業の姿
WTO農業交渉に向けてのコメ関税化
日本提案の基礎―「食料・農業・農村基本法」とその政策
日本のWTO農業交渉提案
EUの提案と農業交渉への立場
ブッシュ新政権下の動向とアメリカの農業交渉提案
ケアンズ・グループと途上国
WTO交渉の展望)
2 地域・消費者・生産者の支える日本農業(多面的機能=日本農業を維持していく基礎に注目;消費者と直接結ぶ、ファーマーズ・マーケット;生協などによる生産者と消費者の連携;環境に配慮する農業;ゾーニングによる優良農地の確保;大前提としての食品の安全性―BSE(狂牛病)問題と予防原則
消費者、地域、生産者の支える日本農業)
著者等紹介
服部信司[ハットリシンジ]
1938年、静岡県生まれ。1962年、東京大学経済学部卒業。一時商社に勤務。1983年、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。東京大学大学院にてアメリカ農業を専攻。この間、1980~81年スタンフォード大学フード・リサーチ・インスティチュートに留学。岐阜経済大学講師、助教授、教授を経て、現在、東洋大学教授。関税率・外国為替等審議会委員、食料・農業・農村審議会臨時委員、食料・農林漁業・環境フォーラム幹事長を兼ねる
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