内容説明
母の「呪縛」と父の「掟」に切り裂かれた心は、母殺しという極限的手段により、その矛盾を解き放つ。攻撃性の病理の根底にある構造を分析し、その起源を明らかにする。
目次
第1部 現代のオレステス(攻撃性の病理;母親殺害の精神病理―発現に至るまでの父親イメージの役割;「内なる死」をもたらす「ものの殺害」;母に対する攻撃性と「掟」としての「父」)
第2部 オレステス・コンプレックス(ピエール・リヴィエール―妄想にもとづく母殺し;ジャン・ピエール―近親相姦的母殺し;オレステス・コンプレックス―理論的考察)
著者等紹介
片田珠美[カタダタマミ]
1961年、広島県生まれ。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。精神科医として長年臨床に従事。専門は精神分析、精神病理学。フロイト、ラカンの精神分析理論にもとづき、攻撃性の起源と病理、とくに青少年の攻撃行動について研究している。学位論文「分裂病者における象徴化と攻撃性」を京都大学大学院人間・環境学研究科に提出し、学位取得。京都大学博士(人間・環境学)学位取得後、フランス政府給費留学生としてパリ第八大学およびサンタンヌ病院に留学し、臨床の仕事を続けながら、パリ第八大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学び、DEA(専門研究課程修了証書)を取得。現在は、パリ第八大学精神分析学部に提出するための博士論文「ラカン理論からみた、精神病における攻撃性と犯罪性」を準備中である。日生病院神経科医長を経て、現在、人間環境大学助教授
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