内容説明
誕生したての近代国家・日本にとって最大の試練であり、その後の日本の歩みを決定づけた「日露戦争」。その戦いの背後にある必然と偶然を、両国の置かれた立場の微妙な違いの中に読みとっていく。まず、大国ロシアのバルチック艦隊を迎え撃つ日本海軍の行動からその勝因を実証的に検証し、次いで、近代日本への胎動が庶民をまきこむ戦いになった時の庶民=個人と国家の緊張関係などを考察する。
目次
バルチック艦隊来たる(七か月かかって日本にやって来た;兵士からみた日露戦争;石炭からみた日露戦争;庶民の海外進出)
対馬沖の二十時間(物理的戦力はほぼ互角;日本海海戦における砲戦術;気象と海戦―一つの疑問;戦艦三笠の栄光と悲惨―その数奇な運命)
兵士たちの日露戦役(兵士たちの生々しい声;徴兵のがれから武運長久祈願へ;松山収容所のロシア人捕虜たち)
ここはお国を何百里(「戦友」ヒットの秘密;「戦友」について;軍歌の移り変わり;演歌と軍歌;軍歌と軍歌バー)