出版社内容情報
文芸の世界で最も注目を集める作家が挑んだ、言葉の定義をめぐるエッセイ集。
「好きになる」「さびしさ」「つきあう」――。日常で何気なく使っている言葉で私たちは、他人と「本当に」分かり合えているのだろうか。一つ一つの言葉が持つあいまいさや脆さを鋭く見抜き、記憶や経験、痛みや喜びの「手ざわり」からその意味を結び直す。他人や、自分自身や、そのあいだにある関係を観察した日々の、試行錯誤の記録。
ある言葉があって、同じ言葉を使う他人がいる。しかし、お互いにほかの文脈を持っていて、ほかの意味を考えている。だから会話が食いちがい、ときに関係がうまくいかなくなるのだ。定義をしながら、そしてその不完全さを思いながら、いつも感じてきたことがある。言葉がわたしの中である意味をむすぶとき、そこにはわたしの記憶や、経験や、痛みや喜びの手ざわりが、どうしようもなくまとわりつく。そしてきっと、他人の使う言葉には、彼らの記憶や、経験や、手ざわりが、同じようにまとわりついている。(「観察」より)
まえがき
1.「友だち」「遊びと定義」「敬意とあなどり」「やさしさ」「確認」「忘れる」「くさみ」
2.「好きになる」「恋」「ときめき」「性欲」「つきあう」「愛する」
3.あなた「友だち2」「めまいと怒り」「さびしさ」「寝る」「飲むとわかる」「乗る」「観察」
内容説明
わたしにはなにより、他人のことがよくわからない。やさしさ、さびしさ、好きになる―。何気ない言葉の「意味の手触り」から、相手と自分の関係を見つめ直す。最注目の作家によるエッセイ集。
目次
友だち
遊びと定義
敬意と侮り
やさしさ
確認
忘れる
くさみ
好きになる
恋(前編)
恋(後編)
ときめき
性欲
つきあう
愛する
友だち(訂正)
めまいと怒り
さびしさ
寝る
飲むとわかる
乗る
観察
著者等紹介
向坂くじら[サキサカクジラ]
1994年、愛知県名古屋市生まれ。2016年、Gt.クマガイユウヤとのポエトリーリーディング×エレキギターユニット「Anti‐Trench」を結成、ライブを中心に活動をおこなう。2024年、初小説『いなくなくならなくならないで』(河出書房新社)が第171回芥川龍之介賞候補となる。執筆活動に加え、小学生から高校生までを対象とした私塾「国語教室ことば舎」の運営をおこなう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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