護られなかった者たちへ

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護られなかった者たちへ

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  • サイズ B6判/ページ数 381p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140056943
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「あなたにこの物語の犯人はわからない」――人気作家・中山七里が、生活保護受給制度の限界を、骨太で極上のエンターテインメント・

内容説明

仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か?なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?罪と罰、正義が交錯した先に導き出されるのは、切なすぎる真実―。

著者等紹介

中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年生まれ、岐阜県出身。2009年『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

1117
中山 七里は、新作中心に読んでいる作家です。図書館の予約に出遅れてようやく読めました。中山 七里は、ハズレが少ない作家、380P超一気読みです。それにしても生活保護の闇は深い、働き方改革なんかよりも生活保護を何とかしないと日本経済は沈んでしまいます。2018/07/24

青乃108号

912
震災で失われた命と、生活保護の申請を却下され失われた命。護られるべきであるのに護られなかった者達と、その者達を護り切れずに生き延びた者達の物語。題材が重い上にとても辛い話であるにもかかわらず、最後まで惹き付けられ本を置く事が出来ない。クライマックスの空港の場面にいたるその盛り上げ方に、あまりにのめり込み過ぎて夕飯を食べる事さえ忘れて読みふけった。考えさせられる、重いけれどとても良い本。生活保護を始めとする社会のセーフティネットは本当に護られるべき者に適正に機能する世の中であってほしいと思う。2022/07/06

うっちー

838
私の税金は有効に使われているのでしょうか2018/02/06

ウッディ

799
体の自由を奪われ餓死死体として発見された三雲と県議会議員の城之内。二人ともに善人、人格者と言われる人物で、犯人の動機がわからず捜査は難航する。そんな中、二人が勤めていた塩釜福祉事務所で暴行・放火を行い、服役していた利根が出所していたことがわかる。利根とけいさんとカンちゃん、血のつながりはなくても、家族以上に互いを思いやる関係、そして収入もなく、生活保護も受けられず、餓死したけいさんのことを思うと涙が止まらず、最低限の生活を営む権利とは何かを考えさせられた。意外な犯人への驚きもあり、面白かったです。 2018/11/01

nobby

708
この国で、この時代に生きる、当たり前に味わう恵まれた日常と便利さの傍で蔓延る貧困や罪悪…日本国憲法に定める「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度としての生活保護だが、その判断基準の曖昧さ故の悲劇は身に染みる…人が複数集まって成り立つ社会、困っていたら助け合うのが大切な一方で、個々の立場で行動は強いられ、システムを支えるには限度もある。福祉という仕事柄、ほぼ見当ついて読み進めたけいさんの行く末には涙止まらず…「護られなかった人たちへ。どうか声をあげてください。」このメッセージ深く胸に刻んでおきたい。2018/02/22

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