内容説明
お江、そちには宝がある。おのれを信じ、おのれの思うまま存分に生きよ。浅井三姉妹の三女・江、波瀾の生涯、完結。
著者等紹介
田渕久美子[タブチクミコ]
島根県生まれ。NHKでは連続テレビ小説「さくら」(橋田賞受賞)、月曜ドラマシリーズ「妻の卒業式」、夜の連続ドラマ「女神の恋」「ダイヤモンドの恋」など話題作を多数執筆。前向きに生きる女性たちの姿を豊かな表現で描き、視聴者から深い共感を得ている。また、ドラマ以外にも映画・ミュージカル・落語・演劇・狂言など幅広い分野で精力的に執筆活動をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ALATA
45
「嫁ぎ先は江戸徳川家。夫となるのは後継ぎの秀忠じゃ」秀吉に政の道具とされ三つ目の城に嫁ぐことを決意する。利休切腹、太閤死去、関ヶ原、大阪の陣、歴史の本流に流されていく江の運命が凄まじい。「そちと会えて。わしの日々は愉快だった」戦国三英傑が今生の別れに礼を尽くす。すごい女子じゃなぁ★4※信長の姪、秀吉と家康は義父、家光の生母、明正天皇の姑。「おのれを信じ、おのれの思うまま存分に生きよ」の声が風に乗りささやきかける。あらためて、日本という国を裏から支えた女傑と感じた。2023/03/22
あつひめ
30
争いの時代の中で、翻弄されながらも自分と関わりのあったものを悼み、また家族への熱い思いを胸に力強く行きぬいた江姫が下巻でよく表現されていると感じました。お福とのわが子をめぐる心の葛藤。思ったことを口に出す事さえ憚られる時代・・・もしこうであったら・・・という江姫の思いが田渕さんの筆に乗り移ったのか・・・。策略ばかりが優先されていた時代に夫婦として心を通わせる事ができたら・・・それだけでも女子として生まれてきた甲斐があるというものかもしれない。知らなかった江姫の一面にであった作品。2010/10/03
紅香
26
死ぬと分かっていながら臨む戦。残酷で生々しく、非情。その行動を理解することは到底出来なかった。江を中心とした血脈をことほぐと見えてくる。幾つもの水脈が大河へ流れる様を。川が堰を切ってドドドっと押し寄せてくる明快さ。歴史が辿った只今を生きようとした道筋。何もかもが腑に落ち、スッキリした。今も流れ、押し上げている。悠久の平和を願った江という川の流れ。同じ女性としてこれからも守りたい。お城も沢山出てきて嬉しい。ロマンを胸に抱いて、いつか訪ねたい。戦国の世と一挙に親しくしてくれる。こういう時、小説は偉大だと思う。2016/04/06
ベガ@あやめ
18
真実は小説よりも奇なり。人の一生より読み応えのある、おもしろい本ってあまりないよね。過去の人の話なんていくらでも作り替えられるから江が本当にこんな人でこんな一生だったのかは分からないけど、本当にこんな女性だったなら、友達になりたかったな。でも、大河ドラマとか朝の連続テレビ小説とかは最近、似たような女性についてやってるか、似たような生き方の女性たちにしてるかだからなんかつまらない2015/11/07
たぁ。
15
苦手な戦国時代のお話。浅井三姉妹の末姫、江を中心に描かれる。織田信長の姪。秀吉や家康に、そこまで思いをぶつけて、だいじょうぶなのかと心配しながら読みました。時代の流れがちょっとわかった気がします。2020/07/09
-
- 和書
- 今日も友だちがやってきた