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NHKブックス
南からの日本文化〈上〉新・海上の道

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  • サイズ B6判/ページ数 282p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140019801
  • NDC分類 612.2
  • Cコード C1339

内容説明

柳田国男は、その晩年に、稲作文化の伝播のルートとして「海上の道」を提起した。南中国を起点とする海上の道を稲作を携えた我々の祖先がたどり、日本列島に到達したとする仮説である。著者はこの柳田とは異なる視点として「南島農耕論」を提起する。『稲作以前』以来、日本人とそのアイデンティティの基礎にある伝統文化の形成を追究してきた著者による日本文化の道をたどる研究の集大成である。

目次

第1章 南島文化史研究の軌跡―『海上の道』とそれ以後(「海上の道」の意義を考える;南島考古学の諸成果 ほか)
第2章 南島の伝統的畑作農耕文化とその特色(南島系根栽農耕文化と“根栽=雑穀型”文化の流れ―バタン島と台湾山地の農耕;沖縄における伝統的畑作農耕―イモとアワの冬作体系 ほか)
第3章 南西諸島の伝統的稲作農耕技術(南西諸島の中世的稲作技術とその地域構造―十五世紀を中心に;近世的稲作技術体系の特色 ほか)
第4章 オーストロネシア型稲作とその展開―南島農耕文化の基礎を形成したもの(南島における冬作農耕システムの発見と在来稲の系譜;オーストロネシア型稲作の特色 ほか)
第5章 新・海上の道と南島農耕文化―「南からの日本文化」を生み出したもの(「新・海上の道」を考える;南島農耕文化へのアプローチ ほか)

著者等紹介

佐々木高明[ササキコウメイ]
1929年、大阪府に生まれる。1959年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。立命館大学助教授、奈良女子大学教授、国立民族学博物館教授、国立民族学博物館長を経て1997年より国立民族学博物館名誉教授。アイヌ文化振興・研究推進機構理事長(2003年3月まで)。専攻は民族学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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禿童子

16
柳田国男が『海上の道』で提示した南島から本土に日本人の祖先が北上したという構想は、現在の学界の常識ではファンタジーとして退けられている。しかし、沖縄・八重山の稲作は九州を含む本土とは時期・様式・儀礼において大きく異なるという問題意識から、中国の長江下流から東シナ海経由で伝わったとする通説のコースと異なる東南アジア起源の熱帯ジャポニカ種が沖縄→種子島と北上した可能性を実証的に説いている。正月のお節という儀礼食品にサトイモを使う圏域とヤマノイモを使う圏域の区分も、上記の南島と本土の境界と重なるのが興味深い。2018/06/03

メーテル/草津仁秋斗

1
とても面白かった!稲は朝鮮半島から伝わってきたという一説しか学校で教わらない高校生たちに、是非とも読ませてあげたい。イモや粟は、確かに前代の資料を見ているととても大事。稲作を重視し過ぎた柳田には見えない視点だなあ。2015/08/18

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