内容説明
我々を、伝染病などの病から守る「免疫」。免疫は、「自己」と「自己ならざるもの=非自己」を識別し、身体の「自己」を監視・維持する機構であるが、アレルギーや自己免疫疾患、がん、エイズなどからは、「自己」と「非自己」の交差する、免疫のもう一つの顔が見えてくる。免疫学の基本を分かりやすく解説しながら、高次生命機構としてのヒトを理解するための超システムとしての免疫系の働きにまで着目する。免疫学の大家による、はじめての免疫学の入門書。
目次
第1章 脳の「自己」と身体の「自己」
第2章 伝染病と人間
第3章 免疫という劇場
第4章 免疫の「知」
第5章 私は誰?私のバーコード―組織適合抗原と免疫
第6章 免疫の内部世界―胸腺とT細胞
第7章 多様性の起源
第8章 自己の体制の成り立ち
第9章 拒否の病理としてのアレルギー
第10章 自己免疫の恐怖
第11章 あいまいな「自己」―移植、がん、妊娠、消化管
第12章 免疫の広がり―超システム
著者等紹介
多田富雄[タダトミオ]
1934年、茨城県結城市生まれ。千葉大学医学部卒。免疫学者。千葉大学教授、東京大学教授、東京理科大学生命科学研究所所長を歴任、現在は東京大学名誉教授。71年免疫応答を調整するサプレッサー(抑制)T細胞を発見、野口英世記念医学賞、エミール・フォン・ベーリング賞、朝日賞など内外の多数の賞を受けた。84年文化功労者。89年より英文国際誌「インターナショナル・イムノロジー」を発刊。95~98年国際免疫学会連合会長。能楽にも造詣が深く、脳死と心臓移植を扱った「無明の井」朝鮮人強制連行の悲劇を描いた「望恨歌」などの新作能の作者としても知られる。自らも大倉流小鼓を打つ。著書には、専門書の他に、『免疫の意味論』(青土社、第20回大仏次郎賞)『独酌余滴』(朝日新聞社、第48回日本エッセイストクラブ賞)、『生命の意味論』(新潮社)、『イタリアの旅から』(誠信書房)、『ビルマの鳥の木』(新潮文庫)など多数
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