出版社内容情報
算数教育、通信教育雑誌、英語塾、ピアノ教室、スイミング・スクール・・・、巷にあふれる早期教育の数々。それらは果たして本当に有効なのか、害はないのか。子どもの成長と発達にとって、いま何が必要かを問う。
内容説明
幼児向け算数教室、英語塾、通信教育雑誌、絵本、ピアノなどの音楽教室、スイミング・スクール。これらの巷間に溢れる早期教育の数々は、子どもにとって本当に意味のあることなのだろうか。親が一人の大人として子どもの成長にどのように関っていくべきなのか。子どもが身のまわりの物事と生き生きした関わりを取り戻すには、どうすればよいのか。発達心理学者の第一人者が、発達の基本をおさえ、そのための方途や早期教育の是非を考える。
目次
早期教育の広がり
幼児期の特色
多様な知の働きと記号のシステムの教育
知能の成長を支える
早期教育の姿
運動学習のあり方
音楽教育の可能性
英語の早期教育
言語と文字の教育の可能性
数の理解と算数教育の可能性〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobu A
7
1998年初版。少子化に伴い、幼児のスポーツや語学等の習い事が盛んだが、そもそも早期教育とは何かを考えさせられる一冊。学校教育で行われるような知識伝達や暗記に限らず、筆者曰く知性・感性を環境を豊かにして伸ばすことだとすれば、どの家庭でも行われていること。発達心理学を軸に運動学習、音楽学習、言語学習、算数学習と章立てで解説。概観する分には悪くないが、巻末の参考文献リストを見ても分かるように、薄っぺらい。自然と触れ合う機会が減り、代わりにゲームをする子供が増えた現代、能力発達に及ぼす影響も大きいと感じる。2022/03/05