出版社内容情報
イエスの十字架と復活ではなく、生前の言行に注目し、聖書を読み直す。自由でおおらかな生き方をし、当時の差別社会に激しく切りこんだ姿を描く、迷信的でない新鮮なイエス像。
内容説明
自由でおおらかな生き方をし、当時のユダヤ教やローマ帝国支配下の差別社会に激しく切りこんだイエス。『マルコによる福音書』を中心に、聖書を読み直し、生前のイエスの言行に注目することによって、新しいイエス像を描く。伝統的なキリスト教信仰を再検討し、「信じ込みの宗教」ではなく、「目覚めの宗教」として、著者自身の「生活の座」からイエスを捉え直す真摯な試み。
目次
序 イエス理解の前提(伝統的・正統的なイエス像;なぜイエスからキリスト教が?;生前のイエスの言行を中心にする思想;『マルコ』のイエスは、どこまでイエスか?)
1 イエスとは誰か(1)―『マルコによる福音書』の批判的読解
2 イエスとは誰か(2)―『マタイ』と『ルカ』から(敵を愛せ;幸いになるべき者たち;平等とは?;「救われる」とは?―イエスの場合)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
2
ふむ2024/04/19
ぽんぽこ
2
既存の聖書の解釈に「待った」をかけたこの本。私たち(とくにキリスト教にあまり詳しくはないが偏見を持っている人たち)の持つ「キリスト教は愛の宗教」「使徒たちも人間的に優れた人達」「福音書はどれも似たり寄ったり」という固定概念を綺麗にぶち壊してくれる快書でした。イエスが笑ったという記述が福音書にないことも驚きでしたし、怒りを顕にしたことも一度しかなかった、ということになっているのにも驚き。福音書があくまで創作物であると分かりました。2021/12/28
8centre
0
ほぼ20年振りに再読。やっぱ一回会社の中で働いてみてから読むと、高尾先生の言葉の刺さり具合が違う。2015/01/16
えちの
0
カトリック教会は、パウロが始めた事業だったと言うことがわかった。「知の逆転」でインタビューを受けていた誰かも、「新約聖書はパウロが作ったおとぎ話ということは誰もが知っている。」と語ってたし。 青年イエスについては、ユダヤ教徒でありながら、戒律でがんじがらめになった社会の中で、人や人の暮らしにとって本当に大切なことは何かということを考え、実践した人物だったようで、この本に出会う前よりも好感を持つようになった。 この著書の後半は、前半の蒸し返しばかりのようで、もう少しすっきりまとめていただきたかった。
ich_y
0
随分以前に読んだものなので、具体的に示せないが、私が読んでも少々疑問をおぼえる記述がめだった。