講談社文庫<br> 失踪者

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講談社文庫
失踪者

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065127773
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

ありえない。10年前、あいつは死んだはずだった――。極寒の氷雪峰に置き去りにされた友の謎をめぐる、感涙必死の山岳ミステリー!ありえない、そんなはずはない。
10年前、あいつは死んだはずだった――

極寒の氷雪峰に置き去りにされ、
“時”とともに氷漬けになったはずの友。
しかし、対面した遺体は明らかに歳をとっていた……


2016年、ペルーはブランカ山群。山岳カメラマンの真山道弘は単身シウラ・グランデ峰を登っていた。10年前、クレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口友一を迎えにきたのだ。ずいぶん待たせて悪かったな――クレバスの底に降り立ち、樋口を見つけ出した真山だったが、遺体の顔を覆う氷雪を落として驚愕する。極寒のクレバスに閉じ込められた遺体は、歳を取ることなく凍りついてしまうはず。しかし、樋口の顔は明らかに10年前より老いていたのだ。なぜだ、ありえない。まさか、樋口はあの時生還していたのか?ならばなぜ連絡をよこさなかった?そしてなぜ同じ場所で命を落としている?樋口、お前は一体何をしていたんだ?

親友が過ごした、謎に包まれし“歳月”。
真相にたどり着いたとき、あなたはきっと胸を熱くする。

注目の乱歩賞作家が仕掛ける、哀しき罪と罰。
『生還者』につぐ感涙必至の山岳ミステリー!

下村 敦史[シモムラ アツシ]
著・文・その他

内容説明

十年前の転落事故でクレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口を迎えに、シウラ・グランデ峰を登る真山道弘。しかし、氷河の底の遺体を見て絶句する。氷漬けになっているはずの樋口は年老いていたのだ!親友に何があったのか。真山は樋口の過去を追う。秘められた友の思いが胸を打つ傑作山岳ミステリー。

著者等紹介

下村敦史[シモムラアツシ]
1981年京都府生まれ。2014年に『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい!2015年版」国内編3位と高い評価を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

296
『生還者』に続き大切な読友さんからのご紹介。今度の謎は『死体が死亡時よりも明らかに年を取っていた』という信じられない事実!10年前に親友と挑んだ山岳氷壁、不運でクレバスに落ち遭難した友を置去り、下山を余儀なくされる。激寒と低酸素、もはや人類の生存不可能な地球最高峰レベルの山では瞬時の判断が生死を分ける。時を経て友の遺体を回収に向かった!友の遺体が明らかに年を取っている?山に魅せられ征服への挑戦に命を掛ける男達の感動山岳ミステリー。謎は見事に溶け美しい友情が残る。エピローグで辿り着く真実は実に切ない‼️🙇2019/12/07

ナルピーチ

175
10年前に雪山で転落死したはずの友人“樋口”クレバスの中で発見された彼は何故か歳老いていた。過去と現在を交互に展開し、山岳カメラマンの“真山”が樋口の登山家としての生き様を辿っていく。空白の期間に何があったのか。謎の登山家の正体とは?読み進める度に深まる疑問は多くなる。だが、その真相が分かった時、胸が締めつけられる想いが込み上げてきた。山を愛する男達の絆と情熱がもたらす傑作ミステリー。最高のクライマー達が見せる登頂の記録が詰まった一冊だ。2022/02/06

chiru

121
『お前はなぜ生還しながらも死者となったんだ?』魂を揺さぶるすごい小説だった。そしてクライマーたちの熱い人間ドラマを描いた最高傑作でした。仲間を守るため自らザイルを切りクレバスに落ちていった樋口。10年の時を経て彼の遺体を迎えにきた真山は目を疑う。彼は明らかに歳をとっていた… 二度死んだ親友、歳をとる遺体の謎、心に生じた小さな疑問から驚愕の真相を手繰り寄せ、樋口の謎の全てが氷解して『絶望』は『希望』に変わっていく。読んでよかった…心からそう思えるほど命の輝きが込められた小説でした。★5↑↑↑2022/02/08

じいじ

102
事故なのか?殺しなのか?昂奮しながら読んだ『生還者』につづく下村敦史の長編山岳ミステリーの第二弾。10年前にクレパスで滑落死したはずの親友が、その直後5年間も生存していたことが…。何故?どうやって!謎だ。ヤツは、同じクレパスで二度死んだことになる。—もう、これ以上書けません。山男たちの熱い友情で結ばれた人間ドラマは、手に汗する読み応えです。2018/10/31

アッシュ姉

89
著者五冊目。同じ山岳小説でもミステリとして読ませる『生還者』から趣を変えて、山に魅せられた男たちの矜持と絆を描いた熱い物語となっている。登山の知識もないし興味もさほどないのに、ぐいぐい惹きつけられて、ぐんぐん読めちゃう。雪山なんて経験ないのに情景が浮かんでくる下村マジック。映像化しても見ごたえがありそうだが、キャスティングや制作費を考えると難しいか。それよりも山岳小説第三弾が出ることに期待したい。2019/11/27

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