NHKブックス<br> 騎馬民族は来なかった

NHKブックス
騎馬民族は来なかった

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140016589
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C1321

内容説明

騎馬民族とは、どのような人びとだったのか。古墳に副葬された豪華な馬具や武器は、騎馬民族の渡来を裏づけるのか。騎馬民族=畜産民という観点から、その文化を特徴づける食習慣、家畜管理法としての去勢、儀礼と祭りにみられる供犠の習俗など文化史的側面から「騎馬民族征服王朝説」を論駁する。

目次

1 ウマとヒトの出会い
2 騎馬民族と騎馬民族説
3 畜産民とその“食”の文化
4 血と内臓の知識
5 去勢の文化誌
6 犠牲と祭りの習俗
終 騎馬民族は来なかった

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

井上裕紀男

20
考古学で出土する物から謎を紐解いていくことはやはり難しい。日本で騎馬民族が存在していたかどうかも、検証方法を誤ると話が変わってくるという。 佐原氏が説くように、日本では内臓を好んで食すことも血を飲み干すことも少ない。屠畜や瀉血も馴染みが無いように社会が成立しているだけに、海外の騎馬民族文化と日本文化が一になるイメージが無い。 限定された民族が制服して日本ができたというよりは、各地の民族が融合して多様な日本文化を形成したと言えそう。「一書に曰く」、が思い込みや偏見につながるということは確かに怖い。2021/04/24

YúKa(ユーカ)@ハガレン読み終えました

14
この本はただの「騎馬民族征服王朝説否定」の書ではない。畜産民と非畜産民の文化をさまざまな観点(食文化、祭祀、解剖学など)から比較した名著である。文章も平易なので、難しいのは読まない人にとっても問題はないと思う。目から鱗の連続だった。ヨーロッパの絵画と日本の浮世絵の相違点を「畜産民か非畜産民か(解剖学の知識があるかないか)」という視点から記述しているのは特に面白かった。民族や文化について知りたい方にとって参考になることは間違いないだろう。2016/10/09

月をみるもの

11
いまとなっては、最後の一文にまとめられているとおり「かつて、騎馬遊牧民族征服王朝説という仮説がありました」ということなんだけど、清正は満州まで攻め入ってるし、刀伊の入寇( https://bit.ly/2MN5Wxq ) とかもあったわけだし、広開土王に率いられた高麗軍の一部隊とかが九州までやって来ててもとくに不思議はないと思う。さすがに、そいつらが新王朝を開いたとまで主張するのは行き過ぎだろうけど、馬の面倒みて馬具をつくれる人がかなりまとまった人数わたってきてたということまでは否定できない。2019/01/07

やっさん

9
かつて日本は騎馬民族が到来・征服して統治したという騎馬民族征服説があったという。それを提唱した江上波夫氏への反証本ということ。そんなトンデモ説唱えた人が、東大名誉教授で文化勲章まで受賞しているのか…。本筋は置いといて、『ローマ人』でもはっきり出てこなかった鐙の起源、屠畜-解剖学ー解剖劇場ー西洋画/非畜産-浮世絵といった比較が興味深かった。去勢にページを割いていて、読みづらかった(笑)。サオ取っちゃうのが日本のイメージだけど、タマなのね。サオなしタマありは欲が残って酷いとか。なるほど〜2016/01/29

金監禾重

7
江上波男にたいする感情(私怨?)を感じさせる文章が残念だ。学問的に否定されている江上説が大衆に受け入れられている危機感から一般人に伝えたいからであろう、説明は口語で丁寧である。しかしそれがねちっこさ、しつこさを感じさせる。目を曇らせがちな「常識」に切り込む良書なのだが。日本が宦官文化を受け入れなかった理由は非常に興味深いし、古代日本に宦官がいた可能性があるのは初めて知った。2019/04/28

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