内容説明
昭和10年代のこの時点では、雲岡は蒙彊の僻地であった。だが、この地に北魏を始め、隋、唐に至る中国が誇る美術を蔵する石窟寺院が数多く存在することが報ぜられ、著者達東方文化研(現京大人文研)の調査が企画された。数次にわたる調査が、第2次大戦の最中にも続けられ、その成果は敗戦後、占領期間中に結実する。本書は、現存する唯一人の当事者が初めて明かす、世界に誇る学術調査の実態である。
目次
1 雲岡時遥かなり
2 雲岡調査―昭和14年夏、秋
3 雲岡調査行―昭和15年~16年夏、秋
4 雲岡の石窟調査と漢墓―昭和17年夏、秋
5 昭和19年夏、秋―雲岡最後の調査
6 敗戦前後の雲岡研究
7 『雲岡石窟』の出版
8 雲岡余録