出版社内容情報
ヴァージニア・ウルフと小津にある人間不在の空間とモノへのこだわり、 三島の小説が見せる日常的事物の異貌...。さらに日常性はベケットやマキューアンが示唆するように核の脅威などの20世紀以降の災厄と裏腹でもあるらしい。 独自の視角から日常の「存在論」を試みる。
内容説明
人間不在の空間へのこだわり、日常的事物がみせる異貌、戦争・災厄と裏腹の日常の不条理。20世紀小説・映画・戯曲を独自の視角からみる、日常の「存在論」の試み。
目次
第1部 日常的事物と映画的知覚(ヴァージニア・ウルフと日常的事物の存在論的知覚;小津安二郎における映画的知覚と日常性)
第2部 三島由紀夫と日常性の問題(概論 三島由紀夫における日常的事物;「スタア」と現実の転位;『鏡子の家』論―戦後の虚無と日常性;『美しい星』論―核戦争の脅威と日常性)
第3部 破局・トラウマ・日常性(サミュエル・ベケットの演劇における日常生活と破局;イアン・マキューアン『土曜日』における日常性とテロの記憶)
著者等紹介
田尻芳樹[タジリヨシキ]
東京大学教授、イギリス文学、ロンドン大学Ph.D.1964年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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