内容説明
ともに生きるために。身体障害者補助犬、動物の福祉、外来生物問題、鳥インフルエンザなど、人と動物の関係を“動物をまもる”と“動物をつかう”という二つの視点からとらえなおした意欲作。
目次
第1部 動物法とはなにか(動物法の歴史―時間的成り立ち;動物法の体系―構造的成り立ち;西欧法と日本法―動物法の対比)
第2部 人と動物の関係からみた動物法(人が動物をまもる―動物愛護管理法;人を動物からまもる―家畜伝染病予防法と牛海綿状脳症対策特別措置法;人と動物が住む生態系をまもる―外来生物法;人が動物をつかう―身体障害者補助犬法;「まもる」と「つかう」の法原理)
第3部 これからの動物法(動物法の現状―動物の「福祉」はどこまで進んだか;動物法の未来―動物に「権利」はあるのか;動物法の担い手―動物保護団体になにができるか;日本社会法と動物法)
著者等紹介
青木人志[アオキヒトシ]
1961年山梨県富士吉田市に生まれる。1984年一橋大学法学部卒業。1989年一橋大学大学院法学研究科博士課程単位修得。現在、一橋大学大学院法学研究科教授、博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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cozy
2
ざっくりと動物に関する法体系を知れたのは良かった。法を学んでいない人向けに書かれているのか、読みやすい。最後の動物に法人格を与えて保護するっていう意見は、少し強引な印象。動物虐待は許せないことだし、法整備は大切だが、動物愛護の立場だけを重要視すると、視点がずれる気がする。2015/04/04
未来来
1
日本の動物関連法の歴史と著者なりの体系付けの後、人と動物の関係の内「人が動物をまもる」「人を動物からまもる」「人と動物が住む生態系をまもる」「人が動物をつかう」に注目して具体的な立法とその課題に触れていきます。欧米との比較もあります。市民に向けに書かれており、法学の考え方や用語も説明しながら進めてくれます。環境倫理とは異なる背景や発展が興味深かったです。最近の動きの著しさには驚かされました。狩猟関係が無いのが残念。一文が長いのが難点。《大学図書館》2009/12/11
Rnt SSK
0
著者でありゼミの指導者でもある先生からいただいた本。先生ならではかどうかは分からないが、法律の枠組みと普通の暮らしをしているわれわれが考えるような枠組みを上手く調和させて解説されていると感じる。それにしても、動物法も奥が深い。
流星
0
非常に興味深かったが、読み切るのは結構大変だった…(私にしては珍しいケース)。こういったアプローチをこれだけしっかりと整理したうえでまとめあげられているものは他にないんじゃないでしょうか…?2011/05/04
ねずねず
0
難しかった…とりあえず、法律学者の切り口を感じられた。言葉にできるほどに分かっていないのは自覚している。類書を読んで物にできるといいな。 イギリスの法制度を垣間見ることができたのは収穫。事象に対して細々と法律が作られているそうなので、イギリスの法律学者は大変そうだ。2018/06/15