出版社内容情報
愛、恐怖、愉悦……ヒトはなぜ感情を感じるのか? そのとき脳内のメカニズムはどのように働いているのか? 新たな展開を見せる情動の脳科学。その最前線を、第一人者がいきいきと描きだすサイエンス・エッセイ。
内容説明
好き、嫌い、怖い、愉しい、憂鬱、嬉しい…最先端科学で解き明かす情動/感情の脳内メカニズムとは。
目次
第1章 それが愛とどんな関係があるって言うんだい?
第2章 氷の上の魂
第3章 血と汗と涙
第4章 情動という聖杯を求めて―辺縁系説
第5章 われわれの来た道―情動の進化
第6章 相互作用する神経回路
第7章 過去の情動の思い出
第8章 内なる野生―「不安」と脳
第9章 もう一度、感情について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
10
恐怖のような身体的表出を伴う情動が生じるシステムは、脳内には単独では存在しないという著者は、扁桃体に注目する。情動には視床から直接扁桃体に向かう低位経路と視床から皮質を経由して扁桃体に向かう高位経路があり、前者は刺激の特徴を省いて素早い対処行動を促すが、後者は刺激の特徴を弁別して行動をコントロールするという。興味深いのは、情動の特殊化な活動が意識を誘発するシステム内に現れると感情が起こることから、情動から感情が生じる過程をワーキングメモリでの表象と捉え、意識のシステムと感情、情動の関係を捉え直す点だろう。2020/09/20
minochan
3
図書館で借りたが原著が1986年なのでさすがに古かった。が「悲しいから泣く」のではなく「泣くから悲しくなる」とはじめて主張した19世紀末のウィリアムジェームズやランゲら黎明期の話はそのぶん (?) しっかり読めた。同著者は10冊以上似たような本を書き続けているようで、原著2023/邦訳2025のものもあった。次はそっちをあたってみるかな2025/06/15
ばにき
3
20年ほど前の本だが、古さを感じない。折に触れて読み返したい一冊。2022/11/30
てぬてぬ
3
ダマジオと並ぶ情動研究の大家、ジョセフ・ルドゥーによる本。マイケル・ガザニガの弟子でもある。情動、特に恐怖に関する知見がまとまっている。図がシンプルで分かりやすい反面、訳文がやや読みづらいのが△。2018/05/09
hanan
2
情動の起こる仕組みを論じてる本。 情動といっても、最も原始的で検討しやすい情動の「恐怖」「不安」を素材としている。 いろいろな精神疾患の中に「恐怖」「不安」というのは多く現れるモンだが、 この仕組みがもっと解明されると、ピンポイントでなんとかできそうな気がする。 詳しくはmixiレビューに書いたです。2014/09/22
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